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マイルCSが21日、阪神競馬場で16頭によって争われ、ルメール騎乗で1番人気のグランアレグリアが大外一気を決め、GI6勝目で史上6頭目の連覇を達成。世代交代を狙った3歳勢に強さを示し、有終の美を飾った。2着は2番人気のシュネルマイスター、3着に5番人気のダノンザキッドが入った。
マイル界に君臨してきた女王は最後まで強かった。世代交代を許さず、史上6頭目の連覇を達成。GI6勝目で有終の美を飾ったグランアレグリアに、場内から大歓声ならぬ、大きな拍手が降り注ぐ。拳を突き上げて応えたルメール騎手は笑顔で振り返った。
「うれしいですね。ラストランで本当のグランアレグリアを見せたかった。素晴らしい走りを見せてくれた。マイルでは一番強かったです」
先行策で3着に敗れた天皇賞・秋から一転し、中団後方でじっくり構えて脚をためた。勝負どころから徐々にエンジンをふかし、最後の直線は馬場状態のいい大外へ。メンバー最速の上がり3ハロン32秒7と極上の切れ味で突き抜け、内から伸びてきた3歳マイル王シュネルマイスターを3/4馬身差で封じた。芝1600メートルのJRA・GI5勝目は並んでいたウオッカを上回る歴代最多だ。
鞍上はいつも以上に勝利にこだわった。これまで多くの管理馬の手綱を託してくれた藤沢和調教師が、来年2月で定年を迎える。「日本に来てから藤沢先生にはたくさんサポートしていただいた。たぶん、GIのラストチャンスだったので、彼にGI(タイトル)をあげたかった」。昨年2月のフェブラリーS以来に再開した場内インタビューで秘めていた思いを明かし、師とのコンビでのGI通算10勝目に安堵の表情を見せた。
名手を笑顔で出迎えた藤沢和調教師は、このレース6勝目で自身の持つ記録を塗り替えるJRA・GI通算34勝目。「無事に終了してくれてひと安心です。最後まで緊張させてもらって感謝です。2歳から5歳の最後まで気持ちを切らさずに一生懸命走ってくれて、ご苦労さんといいたい」と、柔和なまなざしでねぎらった。
名伯楽が「すてきなお母さんになってくれると思うので、楽しみにしています」と新たな馬生に太鼓判を押せば、ルメール騎手は「ゆっくり休んでください。いい赤ちゃんを産んで、またあなたの子供にも乗りたい」と未来に思いをはせた。
あとは任せたわよ-。強いと評される3歳勢の挑戦をあっさり退けた最強マイラーが、さっそうとターフに別れを告げた。(長田良三)
★21日阪神11R「マイルCS」の着順&払戻金はこちら
■グランアレグリア…父ディープインパクト、母タピッツフライ、母の父タピット。鹿毛の牝5歳。美浦・藤沢和雄厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)サンデーレーシング。戦績15戦9勝。獲得賞金10億7381万3000円。重賞は2018年GIIIサウジアラビアRC、19年GI桜花賞、GII阪神C、20年GI安田記念、GIスプリンターズS、GIマイルCS、21年GIヴィクトリアマイルに次いで8勝目。マイルCSは藤沢和雄調教師が1993年シンコウラブリイ、97、98年タイキシャトル、2001年ゼンノエルシド、20年グランアレグリアに次いで6勝目、クリストフ・ルメール騎手は2020年グランアレグリアに次いで2勝目。馬名は「大歓声(スペイン語)」。
◆通算1500勝 クリストフ・ルメール騎手(42)=栗・フリー=は21日、阪神11Rをグランアレグリアで勝ち、史上19人目、現役9人目のJRA通算1500勝を達成。7048戦目での到達は、武豊騎手の7875戦を上回る史上最少。ルメール騎手は「一番うれしいのは、藤沢先生の馬で記録が達成できたことです。豊さんの記録はまだまだ遠いですが、毎レース、一生懸命頑張ります」と語った。武豊騎手(77勝)に次ぐJRA・GI通算40勝も達成し、重賞は同123勝。
◆売り上げ、入場者数 マイルCSの売り上げは177億3160万2200円で前年比100・5%と微増。入場者数は5951人(うち有料入場5520人)だった。
★レースアラカルト
●連覇 ニホンピロウイナー、ダイタクヘリオス、タイキシャトル、デュランダル、ダイワメジャーに続く、14年ぶり6頭目。牝馬では史上初。
●同一調教師&騎手でのJRA・GI勝利 藤沢和師とルメール騎手のタッグで10勝目。池江泰郎元調教師&武豊騎手の12勝に次ぐ歴代2位。
●10億円突破 JRA獲得賞金(本賞金+付加賞)が10億7381万3000円となり、歴代13位。1位はキタサンブラックの18億7684万3000円。
●サンデーレーシング 2年連続3勝目。
●ノーザンファーム 4年連続7勝目。
●払戻金 ワイド190円、馬単540円はレース史上最低配当。
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