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【天皇賞・秋】19年ぶり3歳馬V!エフフォーリアが3強対決制した

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【天皇賞・秋】19年ぶり3歳馬V!エフフォーリアが3強対決制した

 東京競馬場で31日、天皇賞・秋が16頭によって争われ、3番人気の皐月賞エフフォーリアが直線で力強く抜け出し、19年ぶりの3歳馬Vを成し遂げた。鞍上の横山武史騎手は祖父、父に続く史上初の親子3代制覇。次走は有馬記念(12月26日、中山、GI、芝2500メートル)を予定している。2着に1番人気のコントレイル、3着が2番人気グランアレグリアで、3強が上位を占める名勝負だった。

 3強による火花を散らすプライドのぶつかり合い。東京競馬場にコロナ禍以前を思わせる“熱”がうず巻いた。年長のライバル2頭のあいだを威風堂々、抜け出したのは横山武騎乗の3歳馬エフフォーリア。祖父シンボリクリスエス以来、19年ぶりの3歳馬の戴冠。それも1984年以降、JRA最少キャリアタイとなる6戦目での古馬GI撃破という形で、圧巻の世代交代を果たした。

 前週の菊花賞タイトルホルダー)に続く2週連続のGIのウイニングラン。殊勲の鞍上は人生で初めて、うれし涙が流れた。

 「“ヨッシャー”と雄たけびを上げたときに、お客さんの歓声が聞こえてきて。ダービーのこともあったし、堪えられませんでした」

 ハナ差に泣いた日本ダービー。今でも思い出したくないという一戦の借りを返すべく、この日は愛馬とのコンビネーションに神経を集中させた。

 「スタートもうまいし器用な馬。僕は馬の力を信じて乗るだけ。直線も変にインにこだわらず、多少外を回ってもいいと思っていた」

 力を信じて成し遂げたVは祖父・富雄(69年メジロタイヨウ)、父・典弘(2009年カンパニー)に続く史上初の親子3代天皇賞・秋制覇となる大偉業。「デビューしたときから勝ちたかったGIのひとつ。(親子3代は)なかなかできることじゃないし、乗せてくれた関係者、何より頑張ってくれた馬に感謝したい」と相棒をねぎらった。

 「すごい強い相手で不安はあったけど、よく頑張ってくれた。ダービーの負けがあったから、みんなより一丸となれた」

 初の盾制覇を喜ぶ鹿戸調教師。師匠と慕う藤沢和調教師のもと、かつてはシンボリクリスエスの稽古もつけていた。目の前で果たした見事な恩返しに「調教師試験を受けるときからずっと応援してくれていた。追いつきはしないけど、ちょっとは近づくことができたのかな。レース後“おめでとう”といってもらってすごくうれしかった」と柔和にほほ笑んだ。

 他世代の代表をまとめてなで斬った先に待つのは、有力候補に名乗り出た“年度代表馬”の称号。次走の有馬記念で最強3歳馬が今年の有終Vを目指す。 (内海裕介)

★31日東京11R「天皇賞・秋」の着順&払戻金はこちら

 ◆父と自身、そして息子で天皇賞・秋3代制覇となった横山典騎手「こういう素晴らしい馬に乗せてもらえたってことが何より一番だからね。本人の努力もあるのだろうけど、今日は結果を出せてよかった。おめでとう」

 ◆ベストターンドアウト賞 天皇賞秋の出走馬でもっともよくしつけと手入れがされている馬のを担当者を表彰するベストターンドアウト賞は、エフフォーリアの成田雄貴調教助手が獲得した。成田助手は「受賞できたことは光栄。普段から行っていることが評価されてうれしいです」とコメントした。

 ■またまた的中だ! 本紙日曜付の「長の一念」特別版で予想した岡田スタッドグループ代表の岡田牧雄氏(69)は天皇賞・秋を◎〇▲でズバリ。前週の菊花賞◎〇に続き、2週連続で本線で的中した。岡田氏は「エフフォーリアが3番人気はちょっと驚き。3歳世代はかなり強く、その中でもトップレベルとみていて、ダービーで負けたのが信じられないくらい。このメンバーでも勝てると自信を持っていました」と、会心の予想に笑顔だった。今後も大一番で登場予定。お楽しみに。

 ■エフフォーリア…父エピファネイア、母ケイティーズハート、母の父ハーツクライ。鹿毛の牡3歳。美浦・鹿戸雄一厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)キャロットファーム。戦績6戦5勝。獲得賞金4億3327万6000円。重賞は2021年GIII共同通信杯、GI皐月賞に次いで3勝目。天皇賞・秋鹿戸雄一調教師、横山武史騎手ともに初勝利。馬名は「強い幸福感(ギリシャ語)。母名より連想」。

天皇賞・秋アラカルト

 ●最長間隔の勝利 日本ダービーから中153日での勝利となり、当レースの実施距離が2000メートルとなった1984年以降では、19年アーモンドアイ安田記念3着)、同20年(同2着)の中146日を超える最長間隔。

 ●皐月賞馬の勝利 07年(メイショウサムソン)以来14年ぶり8回目。なお、皐月賞馬が同年の当レースを制覇するのは史上初。

 ●エピファネイア産駒 産駒初出走で初勝利。JRA・GIは本馬による皐月賞に続く今年2勝目、通算5勝目。JRA重賞は今年5勝目、通算8勝目。

 ●横山武史騎手 JRA・GIは今年3勝目、通算3勝目。JRA重賞は今年7勝目、通算8勝目。

 ●鹿戸雄一調教師 JRA・GIは皐月賞に続く今年2勝目、通算3勝目。JRA重賞は今年3勝目、通算10勝目。

 ●馬主・(有)キャロットファーム JRA・GIは通算28勝目。JRA重賞は今年9勝目、通算120勝目。

 ●生産者・ノーザンファーム JRA・GIは今年10勝目、通算169勝目(他にJ・GI3勝)。重賞は札幌2歳Sジオグリフ)から9週連続の今年51勝目、通算713勝目。なお、JRA重賞年間51勝は、生産牧場の年間勝利数3位タイ。

 ●払戻金 以下の式別で当レース最低払戻金額を更新。ワイド(1)-(5)=170円(2番人気)、同(1)-(9)=170円(1番人気)、馬単(5)→(1)=850円(4番人気)、3連複=(1)(5)(9)=350円(1番人気)、3連単(5)(1)(9)=2040円(4番人気)。

 ●牡馬の勝利 18年(レイデオロ)以来で通算66勝目。

 ●単勝3番人気馬の勝利 02年(シンボリクリスエス)以来、19年ぶり8勝目。

 ●馬番(5)の勝利 85年(ギャロップダイナ)以来、36年ぶり3勝目。

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