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中山金杯が5日、中山競馬場で17頭によって争われ、松山騎乗で1番人気のヒシイグアスが、直線の競り合いを制し、3連勝で重賞初制覇を飾った。松山騎手は昨年の京都金杯に次ぐ2年連続の“金杯制覇”となり、2021年はさらなる活躍が期待される。2着は5番人気のココロノトウダイ。11番人気のウインイクシードが3着だった。
今年もこの男から目が離せない。1番人気のヒシイグアスが、2勝クラスから3連勝で一気に重賞初V。昨年、デアリングタクトで牝馬3冠を達成し、大ブレークした松山騎手が、2021年開幕初日に3勝の固め打ち&重賞制覇の好発進だ。
「(一年の)いいスタートを切れました。1番人気に支持していただいて、結果を出せてうれしいです」
最高の滑り出しに、松山騎手から笑みがこぼれる。1000メートル通過62秒0のスローペースでも、あわてず中団でしっかり脚をためて直線は馬群の外へ。内から並びかけたココロノトウダイと叩き合いになったが、ゴール前でグイッと伸びてクビ差の接戦を制した。
「思ったポジションが取れましたが、周りのプレッシャーがきつかったです。馬がよく辛抱してくれましたね。外に出してからはいい脚を使ってくれましたし、着差以上に強い内容だったと思います」。以前よりメンタルが成長し、競り合いに負けなかった馬の能力を松山騎手がたたえた。
2016年のセレクトセール当歳せりで9700万円(税抜き)の高値を付け、関東リーディング常連の堀厩舎に預けられた素質馬。出世に時間はかかったが、休養を挟みつつじっくりと力を付けてきたことが、この連勝につながった。「強い馬で、重賞も勝ちましたし、さらに上を目指してほしい」と、ジョッキーも今後の飛躍が楽しみな様子だ。
昨年は京都金杯をサウンドキアラで制し、自身初の年間100勝、重賞9勝の飛躍のきっかけとした松山騎手。今年は中山金杯を勝ち“金杯男”となりそうな雰囲気もある。すっかり上昇気流に乗った明け5歳馬ヒシイグアスも、ジョッキーの勢いにあやかって、今後の中距離路線での活躍が期待できそうだ。 (柴田章利)
ヒシイグアス…父ハーツクライ、母ラリズ、母の父バーンスタイン。青鹿毛の牡5歳。美浦・堀宣行厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は阿部雅英氏。戦績は10戦5勝。獲得賞金1億922万4000円。重賞は初勝利。中山金杯は堀宣行調教師、松山弘平騎手ともに初勝利。馬名は「冠名+アルゼンチンにある最大の滝」
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