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【有馬記念】話題“仏”騰!ペリエ&ルメール紙上トーク


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【有馬記念】話題“仏”騰!ペリエ&ルメール紙上トーク

 有馬ウイーク到来!! 中央競馬の年末のグランプリ・有馬記念が27日、中山競馬場で行われる。GI3勝馬フィエールマン(美浦・手塚貴久厩舎、牡5歳)に騎乗するクリストフ・ルメール騎手(41)=栗東・フリー=が、有馬記念唯一の3連覇を果たしたオリビエ・ペリエ騎手(47)=フランス=と紙上クロストーク。今年自己最多タイのJRA・GI年間8勝と絶好調のルメール騎手が、親交の深い母国の名手と、有馬記念やターフ外の話など幅広く語り合った。(取材・構成=沢田康文、斉藤弘樹)

 ◇

 ペリエ 「クリストフ、きょうはよろしく。いよいよ有馬記念だね。フランスにいる時は正直、あまり有馬記念のことは知らなかったけど、日本で騎乗して、ファンにとっていかに特別かがよく分かった。一年の最後のGIで、大観衆のもと、その年に活躍した馬が集うレースだね」

 ルメール 「ファンのみなさんもエキサイトするし、日本でレジェンドになった馬の多くが有馬記念を勝っています」

 ペリエ 「今年騎乗するフィエールマンは昨年の凱旋門賞にも遠征した馬だね」

 ルメール 「菊花賞天皇賞・春を連覇と長距離のGIを勝っていますが、ベストは2400か2500メートル。去年は4着でしたが、今年はジャパンCを使わず間隔もちょうどいいし、有馬記念でトップコンディションになると思います。少しずつ大人になってパワーアップしていますし、コンディションが良ければビッグチャンスです」

 ペリエ 「僕が初めて勝ったのは2002年のシンボリクリスエス。彼とは2回勝ったけど、特に03年は忘れられない。レース後の引退式は幻想的な光景で感動したし、日本での一番の思い出の一つ。今月(蹄葉炎の悪化で8日に)死んでしまったと聞いた。とても思い出深い馬だったので残念だよ」

 ルメール 「私が初めて日本に乗りに来た年(02年)にシンボリクリスエスが勝って、すごくいい思い出です。体も大きくてパワーがあって、すごくきれいな馬でした」

 ペリエ 「4連覇を目指した05年(デルタブルース11着)は、勝ったのがハーツクライとクリストフ。無敗の3冠馬ディープインパクトが圧倒的な存在だったけど、あのようなスターホースでも時には負けてしまうことがある。競馬の怖さを、改めて感じさせられた」

 ルメール 「有馬記念の一番の思い出です。前走のジャパンCでハナ差で負けたのがチョー悔しくて、気持ちのリカバリーに2週間くらいかかりましたからね。周囲から『ディープは強い。絶対勝つ』という声を聞いていたし、リスペクトはありましたが、ハーツクライも2400メートルで世界レコード(ジャパンC1着アルカセット=2分22秒1と同タイムの2着)で走っていた馬だし、前につければ勝つ自信はありました」

 ペリエ 「有馬記念では、16年にサトノダイヤモンドでも勝ったね」

 ルメール 「(前年にJRA騎手免許試験に合格して)日本に来てから最初のビッグレースでの優勝でした。キタサンブラックをマークしてスムーズな競馬ができましたし、直線はいい脚を使ってくれました。フランスで自分が大変だった時期のことが頭に浮かび、インタビューで感動しました」

 ペリエ 「中山競馬場は小回りで高低差もあるし、折り合ってリズム良く走ることが重要だね。有馬記念はハイレベルなレースだし、スピードもスタミナも兼ね備えていないと勝てない」

 ルメール 「(中山芝2500メートルは)コーナーが6つあるし、インにつけるのが大事。ずっと外を回ると2700メートルくらい走ることになるし、最後にきつくなります。向こう正面では周りの馬を見て、内に行くか外に行くか進路を考えます」

 ペリエ 「今回も期待しているので、頑張ってね!!」



 クリストフ・ルメール騎手(41)=栗東・フリー=とオリビエ・ペリエ騎手(47)=フランス=の紙上クロストークは、有馬記念以外の話にも展開。出会いのいきさつ、日本での生活、そして最強牝馬アーモンドアイについてなど、尊敬する先輩とのトークをたっぷりお届けします。

 ◇

 ペリエ 「クリストフは8歳の時から知っているけど、自慢の弟のような存在。お父さん(パトリス・ルメール氏)が騎手で小さい頃から馬に親しんでいたので騎乗センスは抜群だった」

 ルメール 「ペリエさんは若いときから大きなレースを簡単そうに勝っていました。(武)豊さんやフランキー(デットーリ)と一緒で、生まれたときから天才。僕がA・ファーブル厩舎で騎手の仕事を始めたときは厩舎のファーストジョッキーで、よくアドバイスをもらいましたし、憧れの存在。会ったときは本当に緊張しましたよ」

 ペリエ 「少しでも上手になろうと、いつも努力していたね。騎乗技術だけでなく、人柄も素晴らしい。日本でたくさんのいい馬に騎乗しているのは、そうしたことも理由になっていると思う」

 ルメール 「ペリエさんはすごく優しくて、17歳で有名ジョッキーになってからも全然変わりませんでした。日本では草津や大阪や東京など、いろいろ行きましたね」

 ペリエ 「清水寺のような伝統的な場所から、レースの後には友達や家族と一緒にダンスパーティーをしたり。色々なところに行ったねえ」

 ルメール 「今は毎月1回くらいSNSなどで連絡を取って、子供の写真を送ったり生活の話をしたりしますよね。そういえばペリエさんは日本が大好きで、昔はいつも『日本で引退レースを乗りたい。試験で免許を取るチャンスがあれば』と言っていましたよね」

 ペリエ 「20年前には外国人が通年で騎乗することは考えられなかったけど、(もし通年免許があれば)僕も間違いなく日本語を勉強して受験していたと思うね。そうしたら、ユタカ(武豊騎手=20日現在4243勝)もまだ4000勝していないかもしれないね」

 ルメール 「今年は(GI8勝&年間200勝と)すごくいい年でした。11月には全部(4つの)GIを勝ったし、信じられません。200勝するのはすごく難しいし、特別。今年は騎乗停止がなかったし、けがもありませんでした。それが一番大事なことです」

 ペリエ 「ところで自動車の運転はできるようになった?」

 ルメール 「短期免許の頃は運転しませんでしたが、日本に住むようになって慣れました。今は中京競馬場へも車で移動したりしますよ。ペリエさんはシーズンオフの秋と冬にしか日本に来たことがないので、桜を見たことがないと言っていましたよね。私が案内するので、ぜひ来てくださいよ!!」

 ペリエ 「春は欧州競馬のシーズンが始まるので難しいけど、いつか日本の桜を見に行ってみたいね。また会える日を楽しみにしているよ」



アーモンドアイについて】

 ペリエ 「それにしても、アーモンドアイのラストランのジャパンCには感動した。『ファンの方に最高の形でサヨナラを伝えてほしい』とサンスポ(11月28日付)に書いたけど、その通り、最高のサヨナラパーティーになったね」

 ルメール 「レース後に『おめでとう。この馬は強すぎるから、勝つのは簡単だね』とSNSでメッセージをいただきましたね」

 ペリエ 「無事に(ラストランを)終えることができて、ホッとしていたように見えたのが印象的だった。これまで数々の名牝に乗ってきたと思うけど、アーモンドアイは一番の存在だね。(日本競馬界史上最多の芝GI9勝と)たくさんのGIを勝って、本当に素晴らしい馬だったと思う」

 ルメール 「特別な馬でした。ずっとトップレベルをキープできるのは珍しい。アーモンドアイのストーリーは最後までパーフェクトでした。引退は寂しいけど、それが騎手ライフ。こんなに強い馬に乗れてうれしいし、感謝したいです」



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■オリビエ・ペリエ(Olivier Peslier) 1973年1月12日生まれ、47歳。フランス出身。89年に同国でデビュー。96~98年、2012年に凱旋門賞4勝、フランスのリーディングを4回獲得。欧州以外でも活躍する、世界を代表する騎手の一人。日本には94年以降、短期免許などで来日して騎乗し、JRA通算379勝、GI12勝。有馬記念では2002、03年シンボリクリスエス、04年ゼンノロブロイで史上唯一の3連覇を飾っている。

■クリストフ・ルメール(Christophe Lemaire) 1979年5月20日、フランス生まれの41歳。96年、同国で見習騎手デビューし、99年からプロに。2002年から短期免許で来日し、05年有馬記念ハーツクライ)で日本のGI初制覇。15年3月からJRA所属。17年に199勝で初の全国リーディング1位に輝くと、18年215勝、19年164勝と昨年まで3年連続リーディング。今年も202勝で4年連続のリーディングを確定させている。16~19年最多賞金獲得騎手。JRA通算1323勝。GI35勝を含む重賞107勝(成績は全て20日現在)。1メートル63。

★勝てば新記録…ルメール騎手は今年GI8勝を挙げており、自身の2018年に並んで、1984年のグレード制導入以降のJRA・GIの年間最多勝記録。土曜のホープフルSオーソクレース)、または日曜の有馬記念フィエールマン)で勝てば記録更新となる。

フィエールマン坂路ゆったりと…フィエールマンは20日、美浦トレセンで調整。夜明け前の午前4時過ぎに坂路を4ハロン68秒7-16秒0でゆったりと駆け上がった。「先週もしっかりと時計を出しているので、それほどやらなくてもいいですね。(前走から中7週と)レース間隔が短いですが、年齢を重ねてガタッとこなくなったので心配していません」と名畑助手は好感触を伝えた。

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