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毎日王冠が11日、東京競馬場で11頭によって争われ、メンバーただ1頭のGI馬で1番人気に推されたサリオスが3馬身差の完勝。年長馬との初対決で結果を出し、重賞3勝目をマークした。初コンビのルメール騎手は、スプリンターズSから2週連続重賞V。2着は4番人気のダイワキャグニー、3着に5番人気サンレイポケットが入った。
宿敵のいないGIIで、強さを見せつけた。朝日杯FS勝ちで、メンバー中ただ1頭のGI馬サリオスが、単勝1・3倍の人気に応えるV。日本ダービー2着以来の実戦で、初対戦の年長馬たちをあっさり蹴散らした。
「完璧なレースでした。いい競馬ができてうれしく思います」
初コンビで一発回答のルメール騎手も大満足の内容だ。前半1000メートル通過が58秒0。前日までの大雨から馬場は回復したとはいえ、稍重の緩い状態を考えるとかなり速い流れになった。スタートを決めてすんなり4番手の好位置を取ると、直線は追い出しをギリギリまで我慢させる。先に抜け出しを図るダイワキャグニーに並びかけるところでムチ一発、ゴール前で気を抜かせないようにもう一発。それだけで楽々と3馬身差をつけた。
「いいスタートをしたので、すぐに内田さん(ダイワキャグニー=内田博幸騎手)の後ろが取れました。冷静に走って息も入っていたし、勝つ自信がありましたね」
道中から勝利を確信していたジョッキーの思いに応えるパフォーマンス。今年の3歳世代は古馬混合の重賞でなかなか勝てず、レベルを疑問視する声も聞かれたが、本当に強い馬にはそんな雑音も関係なかった。
京都のグローリーヴェイズと同日重賞Vとなったシルクレーシングの米本昌史代表は「サリオスはクラブの3歳世代のエース格だと思っていたので、この結果は最高」と語り、次走について「マイルCS(11月22日、阪神、GI、芝1600メートル)か香港マイル(12月13日、シャティン、GI、芝1600メートル)になるのでは」と明かした。
最大のライバル・コントレイルとの再戦が年内に実現する可能性は、ほぼないだろう。帰ってきた強いサリオスが、これからはマイル路線の中心に君臨する。(柴田章利)
■サリオス 父ハーツクライ、母サロミナ、母の父ロミタス。栗毛の牡3歳。美浦・堀宣行厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)シルクレーシング。戦績6戦4勝。獲得賞金3億1788万5000円。重賞は2019年サウジアラビアRC、GI朝日杯FSに次いで3勝目。毎日王冠は堀宣行調教師が2010年アリゼオ、11年ダークシャドウに次いで3勝目。クリストフ・ルメール騎手は初勝利。馬名は「ローマ神話に登場する戦闘の踊りの発明者。母名より連想」。
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