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【俺のチェックポイント】ラインベック覚醒の予感
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新型コロナウイルス感染拡大防止で記者の取材活動が制限されたため、当面の間休載するGI連載「東西現場記者走る」に代わってスタートした「俺のチェックポイント」。皐月賞の4日目は大阪サンスポの川端亮平記者が担当し、ラインベックを取り上げる。父母ともに三冠馬の遺伝子を継ぐ「潜在能力」に注目し、大舞台で覚醒する可能性を探った。
◇
週はじめに実家から父の手作りパンが届いた。ドライフルーツを練りこんだ新作のフランスパンだ。定年退職後も変わらない勤勉さ。自分も受け継いでいるのだろうけど、その一端さえ感じないのがもどかしい。おそらく、ラインベックも同じような思いを感じているだろう。
父ディープインパクトは2005年にクラシック3冠、母アパパネは10年に牝馬3冠を達成。両親合わせてGI12勝の超良血で、クラシックの申し子といってもいい。デビューから2連勝後は3連敗。気性面の難しさが出世を妨げているが、ここでも潜在能力はピカイチだ。16日朝に直撃した友道調教師は、改めて素質の高さを評価した。
「うちの3歳世代で体力、気力は一番ある。とにかくタフでへこたれない。調教ではこちらが求めたことに対して、しっかり応えてくれる。ずる賢くて、なかなか競馬で真剣に走ってくれないけど、全能力を出し切ってくれれば、と思うよ」
近走は勝負どころで気の悪さ=ズブさを見せて一度後退し、直線で盛り返すパターンが続いている。そこで中間の追い切りで馬具を工夫。集中力をアップさせるため、1週前追い切りはチークピーシズ、15日の追い切りはブリンカーを装着した。だが、効果はそれほどなく、ありのままで臨むことに。トレーナーは「ゲートの速さを生かすために何も着けない。先行力を生かして、行けるだけ前に行ってどこまで粘れるか」と、試行錯誤を経ての決断を明かした。
〔7〕枠(15)番と外めの枠も、戦法が決まっているので「枠はどこでもよかった」。ハナ宣言しているキメラヴェリテの2番手へ。ホープフルSと位置取りは変わらないが、前を突きながらペースを落とさず、スタミナ勝負に持ち込む構えだ。友道調教師は「ズブいから岩田(康)とは手が合っている。早めに仕掛けて、もたせてくれれば」と、09年にアンライバルドをVに導いた鞍上の手腕に期待を込めて結んだ。
血が騒ぎそうなクラシックの大舞台。印は△にとどめたが、不気味な存在だ。(川端亮平)
■「GI・俺のチェックポイント」 現場記者が週末のGI出走馬のなかで、自分が気になる馬を独自の焦点をもとに取材。記者は日替わりで、火~土曜付に掲載する。
★皐月賞の出馬表はこちら 調教タイムも掲載
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