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JRA史上初無観客レース 競馬場、ウインズで馬券発売なし

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JRA史上初無観客レース 競馬場、ウインズで馬券発売なし

 JRA(日本中央競馬会)は27日、東京・六本木のJRA本部で会見を開き、29日以降の開催における競馬場への一般客の入場を控え、当面の間は無観客でレースを実施すると発表した。新型コロナウイルス感染拡大を防ぐ目的で、無観客競馬はJRAが創立された1954(昭和29)年以降では初めてとなる。

 新型コロナウイルスの影響は中央競馬にも当然のように襲いかかった。26日に、政府が感染拡大防止策としてスポーツイベントについての中止や延期、規模縮小を要請したことを受け、JRAも協議。今週末以降の競馬開催を当面の間、無観客で実施すると決めた。

 開催は必要最低限の人員で行われ、出走馬の馬主は入場が認められる。パドックや本馬場入場、口取りは通常通り行うが、表彰式は感染防止の観点から実施しない。テレビ中継は民放を含め、通常通り放映。29日阪神での四位騎手の引退式は予定通り行われる。関係者の多くも「やむを得ない」と冷静に受け止めた。

 これに伴い、今週から開催される中山、阪神、中京3場のほか、7場のパークウインズ、41カ所のウインズ、最多52カ所のJ-PLACE(日によって発売場数は異なる)で、UMACAを含めた馬券発売、払い戻しは行わず、平日払い戻しサービスも取りやめ。今年の売り上げの71・8%を占める電話、インターネット投票のみ可能となる。

 指定席は、今開催の3場、パークウインズ京都で予約を受けている3月8日までの分はキャンセル扱い。なお、期間内に有効期限を迎える勝馬投票券の払い戻しは、昨年12月28日開催分を3月14日までとするなど、通常の60日間からおおむね2週間延長される。そのうえで越智直弘経営企画室室長は「随時変更する可能性はある。政府の発表を参考に判断していく」とした。

 昨年の同時期開催(2回中山、1回阪神、1回小倉)初日は現金利用者が約37万人いて、その売り上げは約58億円。2日目は同57万人、同100億円。売り上げ全体の30%前後は現金投票だった。売り上げの変動について、大谷敦憲経営企画室調査役は「前例がないので計りかねている」としたが、今週は多くの馬券購入者に影響が出そうだ。

 JRAの後藤正幸理事長は「毎週の中央競馬を楽しみにしていただいているお客さまにはご不便とご迷惑をおかけいたしますが、何とぞご理解、ご協力をいただきますようお願いいたします」とコメント。ライブ観戦は競馬の大きな魅力だけに、ウイルスの終息と早期の通常開催再開が待たれる。

 ◆日本騎手クラブ副会長・福永祐一騎手 「こういう流れの中で妥当な判断だと思います。レース映像は配信されて、自分たちがすることは変わらないので、いいレースを提供できるように全力を尽くします」

 ◆日本騎手クラブ関東支部長・北村宏司騎手 「今まで起こったことのないことですから、最善の策だと思います。その中で開催を進められるのなら、ジョッキーとして与えられた仕事をしていくだけ。世の中ではもっと大変な思いをしている方がたくさんいるわけですし、競馬をさせてもらえることをかみしめて騎乗したいです。何より一日も早く、この事態が収束してくれることを願います」

 ◆日本調教師会会長・橋田満調教師 「ファンの方にはご辛抱をお願いすることになりますが、大勢のお客さまに集まっていただいている以上、やむを得ない対応だと思います。十分に対応して、収束したらまた以前の形で楽しんでいただきたい」

★無観客の影響は?

 必要最低限の人員で行われる“無観客競馬”。観客の視線や雑音、歓声がない環境は馬にどんな影響があるのだろうか。栗東のある調教師は「スタンド前発走でも(無観客で)騒がしくなければ、普段はイレ込むタイプも冷静に臨めるかもしれない」と話す。

 また、栗東の若手調教助手は「パドックに人がいないのは、馬にとっては良さそう。特に新馬は初めての状況に驚いたり、イレ込んだりすることがあるので」と、気性が幼い若駒にはプラスの影響がありそう。一方、“無観客”が解除されたあとに視線を向けたのは、池江調教師だ。

 「今は、クラシックを目指していく馬にとっていろいろと経験を積む時期。パドックやスタンドが静かな中でトライアルを戦い、いざ大観衆の中でGIを迎えたとき、そういう(騒がしさの)経験のある馬とない馬では、影響が出るかもしれません」と指摘した。

★JRA創立前、1944年に無観客競馬実施

 中央競馬では、JRAが創立される10年前の1944(昭和19)年、前身の日本競馬会時代に無観客競馬が行われていた。能力検定競走として桜花賞皐月賞、天皇賞・春、日本ダービーを実施(菊花賞はコースを間違えて不成立)。第二次世界大戦中で競馬開催が停止となったためで、馬券の発売も行われなかった。

★グリーンチャンネル無料放送決定

 JRAの無観客開催、全国の場外馬券施設休止を受けて、グリーンチャンネルで29日、3月1日の「中央競馬全レース中継」が無料放送になる。放送時間は、両日とも午前9時から午後5時。民放のテレビ、ラジオ中継と合わせて、レースのチェックが可能だ。

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