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【東西現場記者走る】タイムフライヤー、怖い“二刀流”

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【東西現場記者走る】タイムフライヤー、怖い“二刀流”

 フェブラリーSの出走馬が20日、決まった。1週間の密着取材で勝ち馬を探すGI連載『東西現場記者走る』は連載4日目。大阪サンスポの渡部陽之助記者(41)は、“二刀流”で芝&ダートGI制覇に挑むタイムフライヤーに注目した。ホープフルSの勝ち馬でダートに転じて5戦目。クロフネで偉業を達成している松田調教師を直撃し、Vの可能性を探った。

 連載4日目も栗東で取材。前日はモズアスコットを取り上げたが、同じく史上5頭目の芝&ダートGI制覇がかかるタイムフライヤーもひそかに気になっている。

 2017年のホープフルS勝ち馬で、今回がダートに転じて5戦目。芝で頂点を極めたスピードがあり、同舞台の武蔵野Sで2着と好走している。走破時計1分34秒8も、過去10年のフェブラリーSでレコードをマークした16年モーニン(1分34秒0)に次ぐ2番目に速いタイムだ。

 19日の追い切りは、DPコース6ハロン75秒0-11秒5の好時計で先着した。一杯に追われて状態も良さそうだ。ただ、最終追いとして、初めてDPコースを使用。その意図を松田調教師を直撃すると、「CWコース、坂路はチップが軟らかくてミスステップが怖いですから。ポリトラックは路盤が硬くて安定しているのでしっかり追える。負荷をかけたかったので」と説明してくれた。

 前走のチャンピオンズC8着後は、騎乗したマーフィー騎手から東京大賞典への出走を進言されたが、立て直すために自重。放牧から早めに帰厩して、ここを目標に1月末から調教を重ねてきた。「疲れも抜けて、後肢の踏み込みが深くなってきた。踏み込みが深くなると、重心が後ろになって、コントロールがしやすくなる」とトレーナーは上昇ムードを伝える。

 中間は“スパイス”も加えていた。気難しい面があるため、12日の1週前は集中力を高めるメンコを着用、19日は外して効果をテストした。「(馬の)コントロールができるかできないかを確認するためです。メンコは効いていましたね」と指揮官。実際にレースで着けるかどうかは、当日の返し馬の雰囲気で決めるようだが、こうした陣営の工夫が実を結ぶかもしれない。

 松田厩舎は、クロフネが01年にNHKマイルC&ジャパンCダートを制覇。日本ダービー3着ベルシャザールも、ダートに転じて13年ジャパンCダートを制覇している。芝の実績馬をダートでも開花させてきた松田調教師の手腕も魅力だ。最後に改めて舞台適性を聞くと、「芝スタートで、位置を取るのにスピード負けはしないと思います」と滑らかな口ぶりに秘めた自信を感じた。

 これで関西馬の取材は終了。金曜は美浦トレセンで関東馬をチェックする。 (渡部陽之助)

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