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【エリザベス杯】ラヴズオンリーユー・矢作師トーク
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今週末の日曜には牝馬の頂上決戦、GIのエリザベス女王杯(芝2200メートル)が京都競馬場で行われる。注目は、今年のオークスを4戦4勝で制して以来の復帰戦となるラヴズオンリーユー(栗東・矢作厩舎、3歳)だ。昨年のリスグラシューに次ぐ連覇に挑む矢作芳人調教師(58)に意気込みを聞いた (取材・構成=斉藤弘樹)
--オークスを制覇
「『だいたいは勝てるかな』という自信はありました。あの日はわりと前の馬が残っていたし、ミルコ(デムーロ騎手)も言っていたように、思ったより4コーナーの位置取りは後ろでしたが、それだけに強かった。レースレコードの速い決着で、思った以上に強い競馬でした」
--ここまで4戦全勝
「正直、2歳の夏頃まではここまでの馬とは思わなかったけど、入厩してからですね。乗ったスタッフはみんなすごいと言っていたし、速い調教を始めて『すごいな』と思いました」
--秋華賞をパスした
「もともとトモ(後肢)の筋肉痛で調整が少し遅れているところがあり、間に合ってもギリギリかなというイメージはありました。入厩しようとしたところで蹄の不安が出て、この馬だからこそ決断しました」
--10月30日の1週前追い切りは、CWコースで6ハロン77秒0の猛時計
「さすがにやりすぎたかなと反動を懸念しましたが、カイバ食いもそんなに落ちませんでしたし、あれだけの負荷をかけられたのは、休み明けだけに良かったと思います。レースの週は、単走でサラッとくらいのつもりで考えています」
--春からの変化は
「体が成長しました。全体的にボリュームアップして20キロは確実に増えていると思います。カイバ食いも春とは全然違いますし、すごい馬になってきています」
--厩舎の先輩でもある全兄のリアルスティール(2016年ドバイターフ優勝)と比べて
「当初は兄より(成長が)遅いと思っていたけれど、牝馬だけにその後の成長はリアルスティールより早いと思います。順調さを欠きながら、これだけ良くなってきていますからね。(伸びしろも)まだまだ計り知れないと思います」
--求めるものは
「今は注文をつけるところはありませんね。あえて成長がほしいと言えば、競馬にいっての精神面くらい。フィジカルは順調に成長曲線をたどっているので今のままでいいと思っています」
--初めての年長馬との戦い
「相手関係はあまり考えていません。(コックスプレートを制した)リスグラシューもそうでしたが、相手どうこうよりも自分の体調をいかにトップに近づけるかが重要。トップコンディションになれば負けないと思っています」
--舞台設定は
「まだつかみ切れていない部分はありますが、少なくとも京都外回りの2200メートルが向かないことはないと思います。あとは不安があるとすれば、跳びがきれいなので道悪ですね」
--4歳で制した昨年のリスグラシューに次ぐ連覇がかかる
「現実にリスグラシューは3歳時は(GIを)取れていませんし、ラヴズオンリーユーは4戦目で取ってしまっていますからね。リスグラシュー以上と考えたいですね」
★牡馬相手にGI連勝
リスグラシュー(父ハーツクライ、母リリサイド、母の父アメリカンポスト)は、2歳夏の2016年8月にデビューし同年の阪神JF2着。3歳時の17年には桜花賞2着、オークス5着、秋華賞2着とGIで善戦を続け、古馬に初めて挑んだエリザベス女王杯は8着に敗れた。4歳時の18年はヴィクトリアマイル2着のあと、秋のエリザベス女王杯でGI初制覇。今年は牡馬相手に宝塚記念、豪州のコックスプレートとGIを2連勝し、5歳を迎え本格化した。
★エリザベス女王杯の特別登録馬(想定騎手入り)はこちら 調教タイムも掲載
★この日のラヴズ
4日、滋賀県の栗東トレセンが休日のため厩舎で静養した。安藤助手は「ぶっつけでGIなので攻めるところは攻めないと。先週は時計が速くなったけれど、いい負荷をかけることができた。この血統は気性が激しい面があるし、今週はサラッとでいいと思います」と話した。
矢作 芳人(やはぎ・よしと) 1961(昭和36)年3月20日生まれ、58歳。東京都出身。父は大井競馬の矢作和人元調教師。東大合格者を輩出する開成高を卒業後、競馬の仕事を志し豪州へ。84年から栗東トレセンで厩務員、調教助手を経て2005年に厩舎を開業。14、16年にJRA賞(最多勝利調教師)獲得。JRA通算616勝(4日現在)。重賞34勝、GI7勝。ほかに海外GI2勝。
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