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菊花賞トライアル第1弾のセントライト記念が16日、中山競馬場でフルゲート18頭によって争われ、横山典騎乗の1番人気リオンリオンが、これまでと違う控える競馬で快勝し、3冠最終戦の有力候補に躍り出た。2馬身差2着のサトノルークス、さらにクビ差3着のザダルまでが菊花賞(10月20日、京都、GI、芝3000メートル)の優先出走権を獲得した。
もう、逃げにはこだわらない。勝った青葉賞を含め、前3戦でハナを切っていたリオンリオンが、秋の初戦で新たな引き出しを披露。3番手のインから馬群を割って鋭く伸び、混戦を断った。
「(3番手の競馬は)普通ですよ。きょうは久しぶりに抑えられたから、いい感じでうなっていたけど、次は3000メートルだし、僕の体力をつくるのにはよかったんじゃないですか。秋の初戦としては言うことないですよ」と、京成杯AH(トロワゼトワル)に次いで2週連続重賞Vとなった横山典弘騎手が、ジョークを交えつつ力走をたたえた。
好スタートを切って先頭をうかがいつつも、外から主張してきた2頭を先に行かせて3番手のインへ。5ハロン通過が59秒8と重馬場にしては速いペースでも、抜群の手応えで4コーナーを回り、最後は大接戦の2着争いを尻目に2馬身差をつけてゴールを駆け抜けた。
松永幹調教師も笑みをこぼす。「いいスタートだったし、このまま(先頭に)行くのだろうなと思ったけどね。(速めの)ペースもダービー(5ハロン通過57秒8)のことを考えればね。途中から我慢も利いたとジョッキーは言っていた。うまく乗って、いい競馬をしてくれたね」と内容にも満足げだ。
夏を越し、馬体も12キロ増の486キロとたくましくなった。この心身の成長は、3000メートルの菊花賞に向けて大きな収穫だろう。横山典騎手は「まだまだ、よたよたしたところもあるし、良くなってほしいところもある」とさらなる成長を期待しつつ、「ダービーのときのように、騎乗停止にならないようにしないとね」と最後は周囲の笑いを誘って締めた。
1カ月後のクラシック最終戦では、日本ダービーを一緒に戦えなかったぶんまで、ファンを魅了する走りを見せてくれそうだ。 (板津雄志)
★【セントライト記念】払い戻し確定!! 全着順も掲載
★半兄メドウに続いた!兄弟同一週重賞V
リオンリオンは14日にJ・GIII阪神ジャンプSを制したメドウラーク(栗・橋田、牡8、父タニノギムレット)の半弟で、兄弟による同一節(同一週)でのJRA重賞Vとなった。1984年のグレード制導入以降では94年のビワハヤヒデ(京都記念)とナリタブライアン(共同通信杯)、2009年のエアトゥーレ(朝日チャレンジC)とアルティマトゥーレ(セントウルS)に続く3例目。
リオンリオン 父ルーラーシップ、母アゲヒバリ、母の父クロフネ。鹿毛の牡3歳。栗東・松永幹夫厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は寺田千代乃氏。10戦4勝。獲得賞金1億3748万4000円。重賞は2019年GII青葉賞に次いで2勝目。セントライト記念は松永幹夫調教師が初勝利、横山典弘騎手は17年ミッキースワローに次いで2勝目。馬名はフランス語で「ライオン」。
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