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【セントウルS】アンヴァル、重賞初Vへ全力投球
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今週から秋競馬がスタート。8日の阪神競馬場では、サマースプリントシリーズ最終戦の産経賞セントウルSが行われる。注目は、北九州記念3着のアンヴァルだ。心身ともに成長を遂げ、6戦連続で4着以内と安定したレースぶり。スプリンターズS(29日、中山、GI、芝1200メートル)には参戦しない方向で、重賞初制覇&シリーズ優勝に全力で挑む。
この一戦にかける意気込みが違う。春の短距離王者などの強豪が集う産経賞セントウルS。スプリンターズSの前哨戦として、ライバルたちが先を見据える中、重賞初制覇を狙うアンヴァルは、ここに全力投球の構えだ。
「GI(スプリンターズS)は使わない予定。来年もありますしね。勝てば(サマースプリントシリーズ優勝の)チャンスもあるし、頑張りたいね」
3日朝、藤岡調教師が力を込めた。前走の北九州記念は、見どころたっぷりの3着。前半は追走に苦労し直線でも進路がふさがる不利がありながらも、メンバー中最速となる上がり3ハロン34秒4の末脚を駆使して、勝ち馬に0秒2差まで追い上げた。
前走時の馬体重は過去最高の474キロ。3走前のシルクロードS(4着)時よりも10キロほど増えており、ここに来ての成長ぶりは著しい。「(体の)前もトモも全体的にパワーッアップしている。気難しい部分があったのも、少しずつよくなっています」。心身の充実ぶりに、トレーナーは目を細める。
デビュー2戦目の初勝利から3連勝でOP特別を制した“才女”。阪神コースは【0・0・0・3】だが、全4勝を1200メートル戦で挙げているように、フィリーズレビュー(4着)と桜花賞(17着)は距離が長かった。昨年のこのレースは10着だったが、最近は坂路で好タイムが出るようになり、8月7日には4ハロン49秒7の一番時計で自己ベストを更新。力をつけた今なら直線の急坂も克服できるだろう。指揮官も「坂で前の馬が止まりやすくなるだろうし、いいと思う。あとは流れひとつ」と前向きだ。
勝てば、サマースプリントシリーズで優勝の可能性がある。末脚自慢のアンヴァルが、開幕週の仁川のターフを切り裂く。 (山口大輝)
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