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【函館記念】マイスタイル貫いた!田中勝は重賞50勝
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サマー2000シリーズ第2戦・函館記念が14日、函館競馬場で16頭によって争われ、逃げた1番人気のマイスタイルが一旦マイネルファンロンにかわされながらも差し返し、クビ差で重賞初制覇を飾った。同レースの1番人気馬の連敗は「12」でストップ。コンビを組んだ田中勝騎手は4年3カ月ぶりの重賞制覇が節目の50回目となった。
地元・北海道出身騎手2人の叩き合いに、スタンドが沸きに沸いた。逃げた田中勝のマイスタイルに、4コーナーで並びかけた丹内のマイネルファンロン。追い比べの末、前者が重賞初制覇を飾った。
「落ち着いて周回していたし、雰囲気はすごく良かった。他に行く馬もいないと思って、逃げる形。最後は力が入ったね。見応えがあったんじゃない(笑)」
この日の騎乗は函館記念のみ。“一騎入魂”での会心Vにカッチースマイルがはじけた。押して先手を奪い、1000メートル通過は59秒8。「少し速いかもしれなかったけど粘る馬。ペースは気にしなかった」。直線入り口でファンロンにかわされたが、勝負根性を全開にしてクビ差盛り返したところがゴール。2006年優勝馬エリモハリアーを最後に続いた1番人気の連敗を「12」で止めた。
鞍上にとっては、15年福島牝馬S(スイートサルサ)以来、4年3カ月ぶりとなる節目のJRA重賞50勝目。「やっと勝てた」というのは、マイスタイルとの縁からもれた言葉だ。
生産者の新ひだか町・猪野毛牧場は、実家の田中春美牧場の隣で、子供の頃から親交があった。このコンビでは11戦目。「昆先生と一緒に重賞を勝ちたいと話していた。牧場の縁で、余計に思いは強くなった。思いが現実になって良かった」と喜んだ。
「狙っていたレースだからね。1コーナーで“勝てる”と思った」
昆調教師にとっては、昨夏に函館芝2000メートルの条件戦を連勝してから見据えていた舞台。GIIIで2着2回など苦杯をなめつつも、田中勝騎手を主戦に任せ続けた。「乗れる騎手なのに、年(48歳)だからと乗せないのはかわいそう。俺のやり方は変わらない」と胸を張った。
次走は未定ながら、秋はマイル戦も含めてGIを目指す。「これでまた、自信をつけて成長すると思う」とジョッキーは期待を込める。縁と絆でタイトルをつかんだマイスタイルが、北の大地から飛躍を遂げる。 (千葉智春)
★売り上げR
14日の函館競馬の総売り上げは前年比110・9%の133億5392万5600円で、同競馬の一日の売り上げレコードとなった。函館記念の売り上げは同107・5%の72億1583万9900円で、入場人員1万2229人も同112・8%とアップした。
田中 勝春(たなか・かつはる) 1971年2月25日生まれ、48歳。北海道出身。89年3月にデビュー。2年目に41勝を挙げて以降、コンスタントに活躍し、2007年には108勝をマーク。JRA通算1767勝で重賞は50勝。GIは92年安田記念(ヤマニンゼファー)、07年皐月賞(ヴィクトリー)の2勝。
マイスタイル 父ハーツクライ、母ファーストナイナー、母の父フォーティナイナー。鹿毛の牡5歳。栗東・昆貢厩舎所属。北海道新ひだか町・猪野毛牧場の生産馬。戦績21戦5勝。獲得賞金2億25万6000円。重賞は初勝利。函館記念は昆貢調教師、田中勝春騎手ともに初勝利。馬名は「私の生き方」。
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