金鯱賞(芝2000メートル)が10日、中京競馬場で13頭によって行われ、川田騎乗で2番人気のダノンプレミアムが、9カ月半ぶりをものともせず、3番手追走から抜け出して重賞4勝目を飾った。復活劇を遂げた一昨年の最優秀2歳牡馬は、体調を見極めながら、優先出走権を獲得した
大阪杯(31日、阪神、GI、芝2000メートル)や
安田記念などのビッグレースを視野に入れる。1番人気の
エアウィンザーは3着だった。
やはり、器が違った。小雨が降るターフを、ダノンプレミアムが力強く駆け抜けた。9カ月半ぶりを感じさせない弾むようなフットワークとラストの切れ。文句なしの形で一昨年の2歳王者が復帰戦を勝利した。
「ホッとしています。スタッフ全員で、このときを長い間待っていました。素晴らしい馬です」
信じていた通りの強いパフォーマンスに、川田騎手が誇らしげな表情を見せる。スタートを決めて道中は最内の3、4番手をキープ。リズムを守りながら進み、手応え十分に直線へ入った。そして満を持してゴーサインを出すと鋭く反応し、2着
リスグラシューに1馬身1/4差をつけ、後続の追撃を悠々と封じ込めた。
「いうことのないレースをしてくれました」とは中内田調教師。昨年春に発症した右前脚の挫石を完治させるため、天皇賞・秋を回避した。決して走れないわけではなかったが「先々のある馬だし、無理はさせない」と判断したもので、休養は長引くことになったものの、脚元の不安はきれいに解消された。
「ホッとしました。これだけの馬ですからね。休み明けなので、しっかりと体をつくってきましたが、いい結果を出してくれました。頭の下がる思いです」とトレーナーは続けた。
日本ダービー(6着)で1番人気の支持を受けた大器が、復活戦で堂々のV。
金鯱賞史上、初めてとなったGI馬5頭が集う豪華な一番を、完璧な走りで制したことで、視界はパッと広がっていく。次走は様子を見ながら決められるが「大きい舞台を目指していきたいですね」と、中内田調教師は力強くまとめた。(宇恵英志)
ダノンプレミアム 父
ディープインパクト、母インディアナギャル、母の父インティカブ。青鹿毛の牡4歳。栗東・
中内田充正厩舎所属。北海道新ひだか町・ケイアイファームの生産馬。馬主は(株)ダノックス。戦績6戦5勝。獲得賞金2億2943万7000円。重賞は2017年GIII
サウジアラビアRC、GI
朝日杯FS、18年GII弥生賞に次いで4勝目。
金鯱賞は
中内田充正調教師は初勝利、
川田将雅騎手は14年
ラストインパクトに次いで2勝目。馬名は「冠名+高品質。格別な働きを期待して」。