アメリカジョッキークラブカップの追い切りが16日、東西トレセンで行われた。美浦では人気の一角、ジェネラーレウーノが豪快な動きで体調の良さを見せつけた。重賞2勝を挙げる得意の中山でVを狙う。栗東では昨年の覇者ダンビュライトが坂路で躍動。連覇に向けて態勢を整えた。菊花賞馬のフィエールマンは17日に追い切る。
この舞台なら負けられない。中山で京成杯、セントライト記念と重賞2勝を含む4戦3勝と抜群の相性を誇るジェネラーレウーノが、ダイナミックな走りで好仕上がりをアピールした。
Wコースの向こう正面からアングレーム(500万下)を2秒ほど追いかける形でスタート。首をグッと丸めて低く保って闘志満々のフォームで進む。直線は内に進路を取り、軽く仕掛けた程度で一完歩ごとにグングンと差を詰める。最後は馬体を並べて、4ハロン51秒0-37秒1-12秒4で併入。追えばいくらでも伸びそうな手応えで、体調のよさは一目瞭然だ。
「掛かる面があるので、いつも通り離れて追走。追いつかないかと思ったが、直線は促しただけで追いついてくれた。精神面がどうかだけだが、中山コースは勝っているので言うことないね」と田辺騎手の感触は上々だ。
菊花賞の後は放牧でリフレッシュ。有馬記念はパスして年明けのここに照準を合わせてじっくりと仕上げてきた。昨年は皐月賞3着、ダービー16着、菊花賞9着と牡馬クラシックは皆勤。強い明け4歳世代の一角を担ってきた。
「時計はちょっと速くなったが、楽な形で走れていたし、体はできているからね。(馬体の)高さも幅も出て成長している」と矢野調教師は確かな手応えを感じている。さらに「帰厩したときは536キロぐらいあったが、絞れていい感じになってきた。13日も坂路(4ハロン53秒8-11秒7)でやっているしね。去年はジェネラーレウーノの京成杯が初勝ちだったので、今年もいい形でスタートを切りたい」と必勝を期す。芝2200メートルはセントライト記念を快勝した舞台。今年は念願のGI制覇に向けて、最高のスタートを切る。 (片岡良典)
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【京成杯】史上初!ラストドラフト、デビュー2戦目V
©サンケイスポーツ
1月15日(火) 05:10
第59回京成杯(14日、中山11R、GIII、3歳オープン国際(特指)、別定、芝・内2000メートル、1着本賞金3800万円 =出走12頭)クリストフ・ルメール騎乗で4番人気のラストドラフトが、4コーナー先頭の積極策で後続を振り切り、レース史上初となるデビュー2戦目でのV。父ノヴェリストも産駒2世代目で初の重賞タイトルを手にした。タイム2分1秒2(良)。この後はクラシック路線に進む。1馬身1/4差の2着が2番人気のランフォザローゼスで、1番人気のシークレットランは4着に終わった。
1戦1勝馬に立ちはだかる大きな壁を、堂々たる走りで打ち破った。ラストドラフトが4コーナー先頭の横綱相撲で1馬身1/4差の完勝。6日のシンザン記念に続くキャリア1戦でのVで、レース史上初の快挙だ。
「新馬戦のときも能力を発揮してくれたが、今回もすごくいい脚を使った。強かった」
2019年の重賞初Vを飾ったルメールが、2戦2勝とした相棒を褒めたたえる。道中はスタートが良すぎて、ハナに行きそうな勢い。2番手に控えてきっちり折り合い、3コーナーで外から馬がきても、人馬とも冷静に対処して押し切った。キャリアの浅さを感じさせない抜群のレース運びだった。
「想定より前での競馬だったが、スピードが違ったね。自在性があるのが分かったのは収穫。レース後も思ったよりケロッとしていたし、まだおつりがありそう」
戸田調教師は満面の笑みで愛馬を迎えた。母で桜花賞馬のマルセリーナを管理した松田博資元調教師とは、家族ぐるみの付き合いがある親しい間柄。ゴール後すぐに松田元調教師から電話があり、戸田師は「松田先生との縁があって、ウチに来たのかもしれない。応援していただいて感謝しています」と礼を尽くす。思い入れの深い1頭だけに、喜びはひとしおだ。
生産した社台ファームの吉田照哉代表にとってもうれしい1勝だ。英GI“キングジョージ”をレコード勝ちした父ノヴェリストは、2世代目の産駒で重賞初勝利となった。「ノヴェリストはハービンジャーのレコードを破ったし、母も相当いい。どちらのいい面も出ている素晴らしい馬。前に行けるから皐月賞は合うだろうし、これだけの馬だからダービーも」と大きな期待を寄せる。
ローテーションは未定だが、クラシックの王道を進む。ルメールはホープフルSを勝ったサートゥルナーリアに騎乗するため鞍上が流動的だが、もうすぐ来る春に向けて期待は高まるばかり。ラストドラフトが多くの夢と思いを背に、大舞台を駆け抜ける。(板津雄志)
ラストドラフト 父ノヴェリスト、母マルセリーナ、母の父ディープインパクト。黒鹿毛の牡3歳。美浦・戸田博文厩舎所属。北海道千歳市・社台ファームの生産馬。馬主は(有)社台レースホース。戦績2戦2勝。獲得賞金4542万7000円。重賞初勝利。京成杯は戸田博文調教師、クリストフ・ルメール騎手ともに初勝利。馬名は「小説の最終草稿、完成版」。
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【京成杯】シークレットラン、体持て余し4着
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1月15日(火) 05:08
第59回京成杯(14日、中山11R、GIII、3歳オープン国際(特指)、別定、芝・内2000メートル、1着本賞金3800万円 =出走12頭)1番人気に推された葉牡丹賞の勝ち馬シークレットランは4着。3コーナー過ぎからステッキを入れられて追い上げたものの、上位を脅かすには至らなかった。「きょうは厳しいレースになった。まだ成長段階で体を持て余している感もある」と内田騎手。田村調教師は「4コーナーで少しタイトになった。うまく乗ってくれたが残念」と悔しさを口にした。
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【京成杯】ランフォザローゼス、突き放され2着
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1月15日(火) 05:08
第59回京成杯(14日、中山11R、GIII、3歳オープン国際(特指)、別定、芝・内2000メートル、1着本賞金3800万円 =出走12頭)マーフィー騎手との人馬初重賞Vを狙ったランフォザローゼスが2着。勝ち馬を徹底マークする形で直線に向いたが、最後は突き放された。「完璧な競馬はできたけど、勝った馬が強かった。これからどんどん強くなるし、すぐに重賞を勝てそうだけど、本領発揮は2400メートル以上」と鞍上は距離延長を飛躍のポイントにあげた。今後のローテは未定。
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【京成杯】ヒンドゥタイムズ、ラスト伸び3着
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1月15日(火) 05:08
第59回
京成杯(14日、中山11R、GIII、3歳オープン国際(特指)、別定、芝・内2000メートル、1着本賞金3800万円 =出走12頭)キャリア1戦の7番人気
ヒンドゥタイムズが3着に食い込んだ。内枠を生かして好位のインを立ち回り、ラストもしぶとく伸びた。「ペースが遅いのはわかっていたけど、一完歩目が速くないのであの位置になった。競馬は完璧だったけど結果がね。距離はもっと延びてもいい」と中谷騎手。斉藤崇師は「2戦目でこれだけやれれば今後が楽しみ」と健闘をたたえた。
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