好位で脚をためた岩田康騎乗の4番人気
ノースブリッジが、直線で抜け出して後続を振り切ってV。前走3勝クラスから昇級戦で重賞初勝利を飾った。2着に
ガロアクリーク、3着には
ダーリントンホールが入り、1番人気の
ジャスティンカフェは直線で馬場の悪い内を突かざるをえず4着に敗れた。
苦楽を共にしてきた人馬がつかみ取ったタイトルだ。4番人気の
ノースブリッジが直線で早めに先頭に立つと、外から猛然と迫るライバルたちをしのいで重賞初勝利を果たした。
「依頼をくださった馬主さん、奥村(武)先生、この馬をつくった厩務員さんや助手さんにすごく感謝したい」
左の拳を高くつき上げながら検量室前に戻ってきた岩田康騎手は、一番に感謝を伝えた。ここまで9戦中7戦、特に近6戦連続で騎乗し、2桁着順も経験しただけに、このレースに懸ける思いは強かった。
スタート後、二の脚の速さで先頭に立ちかけたが、手の内に入れている鞍上がうまく我慢させて脚を温存。直線途中まで馬なりのまま先頭に立ち、ゴーサインが出るとさらにギアが上がった。
「1週前に乗ったときに調子がどうかと思ったけど、この1週間で厩舎の力を見せてもらいました。もっと上を目指せる馬。長い直線を歯を食いしばって頑張ってくれたので、堂々と次の路線に進めると思います」と、岩田康騎手はその走りに胸を張った。
満面の笑みで出迎えた
奥村武調教師も「直線で後ろから他の馬の影が見えたらまたグンと伸びて、全然止まる感じじゃなかったみたい。落ち着きがあって、人とのやり取りができるようになった。騎手が待てといえば待ってくれる。そのあたりの成長が大きい」と精神面での成長を評価。さらに「重賞でどこまでやれるかなというのと、やれなくてはいけないと思っていた」と期待するものは大きかった。今後は「ゆっくり考えたい」と未定だが、ベストは東京の中距離戦。大きな舞台も見えてきた。夏を休養に充て、秋にはさらに成長した姿で、
ノースブリッジと岩田康の名コンビが、東京の長い直線をわかせるはずだ。
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ノースブリッジ 父
モーリス、母アメージングムーン、母の父
アドマイヤムーン。鹿毛の牡4歳。美浦・
奥村武厩舎所属。北海道新冠町・村田牧場の生産馬。馬主は井山登氏。戦績9戦5勝。獲得賞金1億423万6000円。重賞は初勝利。
エプソムCは
奥村武調教師が初勝利。
岩田康誠騎手は2013年
クラレントに次いで2勝目。馬名は「北+橋。人名より」。