皐月賞トライアルの
スプリングSが21日、中山競馬場で15頭によって争われ、中団を進んだ3番人気の
ヴィクティファルスが大外一気の豪快な差し切り。兄の池添騎手と弟の
池添学調教師の兄弟タッグによる初の重賞勝ちとなった。2着の
アサマノイタズラ、3着の
ボーデンまでが
皐月賞(4月18日、中山、GI、芝2000メートル)の優先出走権を獲得した。
◇
猛烈な風雨を背中に受けながら、大外を豪快に伸びた。
共同通信杯2着の
ヴィクティファルスが、デビュー3戦目で初の重賞タイトルをゲット。クラシックの有力候補へ名乗りを上げた。
「いいスタートを切ってくれて、あとは折り合いを大事に。悪い馬場でもリズム良く走れたし、追い出してからもしっかり反応。この馬場でも踏ん張って走ってくれた」
笑顔の池添騎手を検量室前で迎えたのは、弟の
池添学調教師。11度目の挑戦で、ついに兄弟での重賞制覇を成し遂げた。騎手&調教師の兄弟タッグでの重賞勝ちは、1984年のグレード制導入以降では初の快挙だ。
兄・謙一は「すごくうれしい」とほおを緩め、弟・学も「どうしても結果を出さないといけないレースだったし、3週連続追い切りで感触をつかんでもらった。上手に競馬してくれました」と兄に感謝。記念撮影では、兄が弟に「(表情が)硬いよ。笑わんか!」と駄目出しし、その後に「マーちゃん」と言って抱きつくツンデレぶり。家族ならではワンシーンだ。
これまで阪神、東京、中山と全て違うコースで好結果を残し、今回は道悪も克服した
ヴィクティファルス。この日の強風にトレーナーは「普段の調教で風を嫌がるので」と一抹の不安を感じたようだが、「走ってみたら大丈夫だった。競馬にいってすごく真面目に走ってくれる」と頼もしさは増すばかりだ。
この後はダメージが残らなければ、
皐月賞へ向かう見込み。
ヴィクティファルスと池添兄弟が春本番を盛り上げる。(板津雄志)
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ヴィクティファルス 父
ハーツクライ、母ヴィルジニア、母の父ガリレオ。鹿毛の牡3歳。栗東・
池添学厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は(株)G1レーシング。戦績3戦2勝。獲得賞金7720万円。重賞は初勝利。
スプリングSは
池添学調教師が初勝利。
池添謙一騎手は2011年
オルフェーヴルに次いで2勝目。馬名は「ガリレオ衛星に付けられた名前。母父名より連想」。
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