菊花賞トライアルの
神戸新聞杯が27日、中京競馬場で18頭によって争われ、福永騎乗で1番人気の
コントレイルが楽に抜け出して無傷の6連勝。1984年
シンボリルドルフ、2005年
ディープインパクトに続く史上3頭目の無敗での3冠制覇をかけて、
菊花賞(10月25日、京都、GI、芝3000メートル)へ進む。2着に3番人気の
ヴェルトライゼンデ、3着に14番人気の
ロバートソンキーが入り、上位3頭に
菊花賞への優先出走権が与えられた。
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秋も、主役の座は譲らない。無敗の2冠馬
コントレイルが無傷の6連勝を達成。余力十分に2馬身差をつけ、晴れ渡った中京競馬場上空のように視界良好の圧勝だ。
「勝ててホッとしています。負けていない馬なので、休み明けとはいえ落とすわけにはいかないと思っていた。余力を持って勝つことができて何よりです」
福永騎手は安堵の表情で汗をぬぐった。中団馬群のインを追走し、3コーナーから進出。直線でもしばらくは包まれた状態だったが、残り300メートルで前があくと、抜群の瞬発力で先頭に躍り出た。鞍上は軽く促しただけで、あとは手綱を持ったまま。ノーステッキで後続を突き放した。
「進路を探しながら、慌てないことを肝に銘じて乗っていた。もっと早く進路を確保したかったけど、手応えはあったから」という冷静な判断で、矢作調教師=円内=も「道中は中団で囲まれていたのでヒヤヒヤしましたが、折り合いも問題なかったですし、前哨戦としては満点だったと思います」とうなずいた。
パドック、返し馬での落ち着きこそが成長の証し。「もともと落ち着いていたけど、春よりさらに精神的にどっしりしていた」とトレーナー。馬体重は460キロで
日本ダービーから増減はなかったが「そのあたりは父にそっくり。これでいいんでしょう」。着差以上の内容に「春以上のものがあると手応えを感じました」と期待を込めた。
無敗を保ったまま、いざ
菊花賞へ。「在厩調整は初めてのパターン。スイッチが入りすぎないよう、さじ加減に注意してやっていきたい」と指揮官が前を見据えれば、福永騎手も「負けずに行けたので、ぜひ達成できるよう頑張りたい」と力を込めた。
シンボリルドルフ、父
ディープインパクト以来、史上3頭目となる無敗の3冠達成へ。盤石のレースぶりで王手をかけた。(渡部陽之助)
★27日中京11R「
神戸新聞杯」の着順&払戻金はこちら
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コントレイル 父
ディープインパクト、母ロードクロサイト、母の父アンブライドルズソング。青鹿毛の牡3歳。栗東・
矢作芳人厩舎所属。北海道新冠町・株式会社ノースヒルズの生産馬。馬主は前田晋二氏。戦績6戦6勝。獲得賞金5億2785万8000円。重賞は2019年GIII東スポ杯2歳S、GI
ホープフルS、20年GI
皐月賞、GI
日本ダービーに次いで5勝目。
神戸新聞杯は
矢作芳人調教師が初勝利。
福永祐一騎手は13年
エピファネイアに次いで2勝目。馬名は「飛行機雲」。
★単勝最低払い戻し金&単勝支持率…
神戸新聞杯での単勝110円は1965年のダイコーター、2005年の
ディープインパクトに並ぶ最低払い戻し金。単勝支持率72・6%は、
ディープインパクト(05年、78・5%)、ダテテンリュウ(1970年、74・5%)に次ぐ史上3位。
★売り上げ新記録…売得金83億9513万7500円(対前年比190・5%)は同レースのレコード。