セイリュウ1号
岡村信将
マカロニスタンダーズ
ジャンヌ
ダービー卿チャレンジトロフィー(芝1600メートル)が4日、中山競馬場で16頭によって争われ、石橋騎乗で4番人気のクルーガーが好位から抜け出して2馬身差で快勝。4年ぶり2度目の重賞勝ちを飾った。2着は13番人気の伏兵ボンセルヴィーソ。ハナ差3着がレイエンダで、1番人気プリモシーンは5着に終わった。 長い苦難の道を経て、8歳馬が鮮やかな復活劇だ。4番人気のクルーガーが、好位追走から直線で抜け出して2馬身差の完勝。2016年のマイラーズC以来、約4年ぶりに勝利の美酒を味わった。 「返し馬で初めて感触を確かめたけど、いい馬だと思いました。直線で進路があいてからの伸びはすごかったですね」 端正な顔をほころばせたのは前日の3日に36歳になったばかりの石橋騎手。自ら最高の形でバースデーを祝った。(4)番の好枠を生かして好位を進み、ハイペースに巻き込まれないように「無理にはついていかなかった」という好判断。「前にいる人気馬の動き次第かな…と思ったので、慌てずに」運んで、最後の伸びを引き出した。 デビュー当初から素質の高さで評判を呼んでいた逸材だが、故障で長期休養が相次いだ。昨年はオーストラリアに2度遠征。GIクイーンエリザベスSではGI25連勝の名牝ウィンクスの2着に健闘したが、勝ち星からは遠ざかっていた。 「オーストラリアに行って、目に見えて変わったということはないですが、精神的にどっしりしてきたし、普段扱っていても8歳なのかな、というほど」 昨年のフィアーノロマーノに続く連覇を飾った高野調教師は、ベテランの頑張りに最敬礼。「とはいえ、8歳ですから。ダメージをしっかり取って、今後のことは考えたい」と、次走は明言を避けたが、勝利の味を思い出したのは大きい。完全復活を果たした古豪が、マイル路線に新たな風を巻き起こす。 (柴田章利)クルーガー 父キングカメハメハ、母アディクティド、母の父ディクタット。黒鹿毛の牡8歳。栗東・高野友和厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)キャロットファーム。戦績26戦6勝。獲得賞金2億7225万1000円(うち海外7215万5000円)。重賞は2016年GIIマイラーズCに次いで2勝目。ダービー卿CTは高野友和調教師が19年フィアーノロマーノに次いで2勝目。石橋脩騎手は12年ガルボに次いで2勝目。馬名は「賢者(ドイツ語)。賢い競走馬に育ってほしいと願いをこめて」。★4日中山11R「ダービー卿CT」の着順&払戻金はこちら