フジテレビ賞スプリングステークスが17日、中山競馬場で16頭によって争われ、10番人気の
エメラルファイトが中団から鋭く伸びて優勝した。相沢調教師、石川騎手の師弟はコンビでの重賞初制覇。1番人気で2着の
ファンタジスト、3着の
ディキシーナイトまでが
皐月賞(4月14日、中山、GI、芝2000メートル)の優先出走権を獲得した。
春の陽気に包まれた中山で、師弟の絆に勝利の女神がほほ笑んだ。大接戦のゴール前をアタマ差でしのぎ切った10番人気の伏兵
エメラルファイト。引き揚げてきた検量室前で“ウォー”と雄たけびを上げた石川騎手は、馬から下ると師匠の相沢調教師とがっちり手を握り合った。
念願の師弟コンビでの重賞初制覇は、鞍上が完璧な流れでつかみ取った。課題のスタートを鮮やかに決め、道中は前を射程に入れる7番手の絶好位。直線も最高のタイミングで抜け出した。
「きょうはフルゲートだったので、他の馬をどうさばくかだけ考えていた。直線の坂で手応えが怪しくなったけど、他の馬が来たらまた伸びてくれた。馬の根性に勝たせてもらった。(所属する)相沢厩舎の馬で勝てたことが何よりうれしい」
2017年
ラジオNIKKEI賞(
セダブリランテス)以来2度目の重賞奪取となった殊勲のまな弟子を、笑顔で出迎えた相沢調教師は05年
ダンスインザモアに次ぐ2度目の
スプリングS制覇。師匠として普段は厳しい言葉もぶつけるが、さすがにこの日は孝行息子をたたえる言葉がこぼれる。
「(石川)裕紀人はきょう負けたらクビだったんだけど、最高にうまく乗ってくれた。毎日毎日、調教でもつきっきりでやってきたからね。(2000メートルに)距離が延びても問題ないと思うし、
皐月賞までとにかく無事にいくことだけ」
年初に“二人で重賞を勝つ”ことを誓い合っていた師弟。このまま在厩で調整される愛馬とともに、さらなる高みへと、その絆を強めていく。(内海裕介)
★17日中山11R「
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エメラルファイト 父
クロフネ、母セトウチソーラー、母の父
スペシャルウィーク。芦毛の牡3歳。美浦・
相沢郁厩舎所属。北海道浦河町・金成吉田牧場の生産馬。馬主は高橋勉氏。戦績6戦3勝。獲得賞金8123万円。重賞は初勝利。
スプリングSは
相沢郁調教師は2005年
ダンスインザモアに次いで2勝目、
石川裕紀人騎手は初勝利。馬名は「冠名+戦い」