第93回中山記念(24日、中山11R、GII、4歳上オープン国際(指)、別定、芝・内1800メートル、1着本賞金6200万円、1着馬に大阪杯の優先出走権 =出走11頭)GI馬5頭が出走した伝統のGIIは、松岡正海騎乗で5番人気のウインブライトが連覇を果たした。タイム1分45秒5(良)。このあとは芝2000メートルのGI路線で、大阪杯(3月31日、阪神)、香港のクイーンエリザベス2世C(4月28日、シャティン)が視野に入る。GI馬5頭の最先着は2着のラッキーライラック。1番人気のディアドラは6着に敗れた。
もう本物だ。GI馬5頭がそろった伝統のGIIは、ウインブライトがタイトルホルダーたちを撃破して連覇。引き揚げてきた松岡騎手も馬上で何度も両手を突き上げた。
「思っていた展開で、エポカドーロの後ろのいいところでレースができました。テン良し、中良し、しまい良し。馬が成長していたし、自信を持っていました」
マルターズアポジーが飛ばす縦長の隊列を4番手で追走した。後続も息を入れにくい流れの中、3~4コーナーで追われつつ直線は外めへ。後続の追い上げを受け止めながら力強く脚を伸ばすと、先に抜け出したラッキーライラックをゴール寸前にクビ差とらえた。
これで中山1800メートルで4戦全勝と舞台巧者ぶりもさすがだが、レースレコードに0秒6差の1分45秒5も優秀。「完成度が上がり、スピード勝負にも対応してくれました」。パートナーをたたえた主戦ジョッキーは、ブライトで制した中山金杯の翌日に中山で右尺骨を骨折。1カ月のスピード復帰で2週前追いから調整を施してきただけに、喜びはひとしおだ。
「外から正攻法の競馬で勝てたのは大きい。やっと大きいところに行けるのかな、と。GIに入っても負けないようにやっていきたい…そう思える自信はつきました」
デビュー時から40キロ超もビルドアップし、過去最高馬体重の492キロ。畠山調教師が愛馬の充実ぶりに大きな手応えをつかめば、オーナーでクラブ法人ウインの岡田義広代表も「GI馬のような脚を使ってくれました。強くなっていますね。ステイゴールドの成長力はすごい」と舌を巻いた。
いよいよGI取りへ。馬の状態を見つつ、大阪杯、香港のクイーンエリザベス2世Cの両方、もしくはいずれかを見据える。「この馬でGIを勝ちたい、と思ってやってきました。今は申し分ない。乗っていてすごい楽」。デビュー前から松岡騎手に素質を磨き上げられてきたウインブライト。その黄金の輝きを、大舞台でも放つ。 (千葉智春)
ウインブライト 父ステイゴールド、母サマーエタニティ、母の父アドマイヤコジーン。芦毛の牡5歳。美浦・畠山吉宏厩舎所属。北海道新冠町・コスモヴューファームの生産馬。馬主は(株)ウイン。戦績17戦7勝。獲得賞金2億9952万3000円。重賞は2017年GIIフジテレビ賞スプリングステークス、GIII福島記念、18年GII中山記念、19年GIII中山金杯に次いで5勝目。中山記念は畠山吉宏調教師、松岡正海騎手とも昨年に次いで2勝目。馬名は「冠名+輝かしい」。
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