山口吉野
夢月
シムーン
マカロニスタンダーズ
蒼馬久一郎
エース1号
第63回京王杯スプリングカップ(12日、東京11R、GII、4歳上オープン国際(指)、別定、芝1400メートル、1着本賞金5900万円、1着馬に安田記念の優先出走権 =出走18頭)クリストフ・ルメール騎乗で4番人気のムーンクエイクがゴール前でアタマ差抜け出して重賞初V。タイム1分19秒5(良)は従来のタイムを0秒1上回るコースレコードとなった。管理する藤沢和雄調教師はこのレース7勝目。JRA通算999度目の重賞挑戦で107勝目。次走は優先出走権を獲得した安田記念(6月3日、東京、GI、芝1600メートル)を目指す。1番人気ダンスディレクターは15着に終わった。 高速馬場での手に汗握るゴール前。3頭の追い比べで、わずかに前に出たのは4番人気のムーンクエイクだった。重賞初挑戦でレコードタイムの快走。安田記念の優先出走権を手に入れた。 「ラストの200メートルは3頭で併せ馬になったけど、よく頑張ってくれました。楽しいレースでしたね」 並み居る強敵を破り、ルメール騎手が満面の笑みを浮かべた。1000メートル通過56秒6の厳しいペース。中団の後方につけたムーンクエイクは、直線で前があくと先に抜けたキャンベルジュニアに並びかけたが、外から同厩のサトノアレスも猛追撃。それでも最後は気力を振り絞るようにアタマ差でフィニッシュした。 「少し掛かるけど、スピードがあるし、長く脚を使ってくれます。タフな馬なので1600メートルもいけると思います」とルメールも安田記念に向けて太鼓判を押す。 もともと期待馬だったが、気性が激しいため3歳夏に去勢された。今回は、その前進気勢が高速決着にマッチ。これで京王杯SC7勝目となった藤沢和調教師は「1400メートルでうまく折り合えたし、ペースが速かったのもよかった。(3着の)サトノアレスとタワーオブロンドンと3頭で安田記念に向かいます」と、“3本の矢”でGI取りに挑むことを明言した。 府中といえば藤沢和厩舎。今年も13勝中7勝を挙げている得意の東京で、春競馬の後半に向けてエンジンをかけていく。 (柴田章利) ◆石橋騎手(キャンベルジュニア2着) 「ずっと勝ち馬が後ろにいたし、目標にされたぶん。残念です」 ◆蛯名騎手(サトノアレス3着) 「初めての1400メートルで最後はよく伸びた。次につながるレースはできた」 ◆田辺騎手(グレーターロンドン4着) 「初の1400メートルでレコードの出る馬場。忙しかったが最後はよく伸びた」 ◆森一騎手(ラインスピリット5着) 「最後まで踏ん張って差のない5着。力を付けている」 ◆武豊騎手(ダンスディレクター15着) 「道中の感じは良かったが、直線は反応してくれなかった」★12日東京11R「京王杯SC」の着順&払戻金はこちらムーンクエイク 父アドマイヤムーン、母リッチダンサー、母の父ホーリング。栗毛のセン5歳。美浦・藤沢和雄厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)キャロットファーム。戦績12戦6勝。獲得賞金1億3665万7000円。重賞初勝利。京王杯SCは藤沢和雄調教師が1997年タイキブリザード、98年タイキシャトル、2000、01年スティンガー、04年ウインラディウス、14年レッドスパーダに次いで7勝目。クリストフ・ルメール騎手は初勝利。馬名は「月震。月を動かすぐらいの躍動を期待して」。