第18回チャンピオンズカップ(3日、中京11R、GI、3歳上オープン国際(指)、定量、ダ1800メートル、1着本賞金9700万円=出走15頭)ライアン・ムーア騎乗で8番人気のゴールドドリームが、中団から鮮やかな差し切り勝ち。史上3頭目の同一年JRA・ダートGI2勝を達成した。タイム1分50秒1(良)。次走はフェブラリーS(2018年2月18日、東京、GI、ダ1600メートル)で連覇に挑む。1番人気のテイエムジンソクが2着、9番人気のコパノリッキーが3着に入った。
師走の尾張で、ダート王が完全復活だ。今年のフェブラリーSを制したゴールドドリームが、史上3頭目となる同一年JRA・ダートGI2勝の快挙。JRA・GI7勝目を挙げたムーア騎手は、いつも通りクールな表情で切り出した。
「もともとすごく素質のある馬。状態はいいと聞いていたし、乗った感触からきょうは絶対勝てる自信がありました」
課題のゲートでワンテンポ遅れたが、序盤から促して中団の後ろをキープ。前半1000メートル61秒6とゆったりした流れの中、脚をためた。4角でスムーズに外めへ持ち出すと、直線は一気にエンジンが点火。グイグイ伸びて、ゴール寸前で計ったように差し切った。
「彼なりにゲートを出ていい位置でスムーズに競馬ができたし、慌てずに馬のリズムを重視した。反応もすごく良かったし、すべてがうまくいきました」。初騎乗でVへと導いた英国の名手が、会心の騎乗を振り返った。
フェブラリーSでGI初制覇を飾った後は、国内外のGIで14、7、5着。鮮やかな復活劇の裏には、陣営の懸命な努力があった。前走の南部杯でスタートで大きく出遅れたことで、中間は5日ほど、ゲートで縛るなど練習に取り組んだ。また、プール調教を取り入れ、メニューにも工夫を凝らした。
「GIを勝っている馬を縛るのは勇気がいる。そんな厳しいゲート練習をしたくなかった。フェブラリーSを勝った後、いろいろかみ合わず力を出せなかったけど、本当の力を出してくれてホッとしている」。険しい道のりを乗り越えての美酒に、平田調教師も感無量だ。
1800メートルを克服したことで夢が広がった。「きょうのような競馬ができれば、まだ距離が延びてもいけそう」とトレーナーが言えば、英国の名手も「まだ4歳で若いし、もっと成長する。これだけ切れる馬は少ない。彼の一番の武器」と無限の可能性を感じとる。
【チャンピオン】吉田オーナー「フェブラリーSかドバイ」
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12月4日(月) 05:05
第18回チャンピオンズカップ(3日、中京11R、GI、3歳上オープン国際(指)、定量、ダ1800メートル、1着本賞金9700万円=出走15頭)ゴールドドリームのオーナー兼生産者の吉田勝己氏(69)=ノーザンファーム代表=は、愛馬の勝利に頬を緩ませた。
「強かったね。ムーア騎手が素晴らしい騎乗を見せてくれた。馬もよく見えたし、平田調教師もよく仕上げてくれた。前残りの展開を差し切ったんだから完璧」と笑みを浮かべた。今後については「来春は(2連覇がかかる)フェブラリーSかドバイ遠征を見据えていくことになるでしょう。将来はゴールドアリュールの後継馬になってほしい」と、さらなる活躍に期待を込めた。
同馬には、2歳牝馬のミステールヴェール(未出走、父ヘニーヒューズ)、さらに父オルフェーヴルの1歳牝馬の半妹がいる。母モンヴェールはダイワメジャーの子を受胎しており、来年1月下旬に誕生の予定だ。
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【チャンピオン】ブレイブ4着、ひと伸び足りず
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12月4日(月) 05:03
第18回チャンピオンズカップ(3日、中京11R、GI、3歳上オープン国際(指)、定量、ダ1800メートル、1着本賞金9700万円=出走15頭) 今年の帝王賞を制して、3番人気に支持されたケイティブレイブは4着。好位のインから運んだが、もうひと伸びできなかった。福永騎手は「かわせそうでかわせなかった。でも脚は使ってくれているし、久々の中央でもスムーズに走ってくれた」と振り返った。
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【チャンピオン】サウンド11着、大野がっくり
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12月4日(月) 05:03
第18回チャンピオンズカップ(3日、中京11R、GI、3歳上オープン国際(指)、定量、ダ1800メートル、1着本賞金9700万円=出走15頭) 連覇の壁は高かった。2番人気サウンドトゥルーは、後方のインから直線で外へ出すに出せず、瞬発力比べでも見劣り11着まで。
「流れると思っていたけど、馬群が固まってしまった。どこかで外に出せていれば…。うまく乗れませんでした」と大野騎手は肩を落とした。高木調教師は「流れが遅く、直線でせまいところに入ったのが全て。東京大賞典でリベンジしたい」と復権を誓った。
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【チャンピオン】1番人気もジンソク2着
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12月4日(月) 05:03
第18回チャンピオンズカップ(3日、中京11R、GI、3歳上オープン国際(指)、定量、ダ1800メートル、1着本賞金9700万円=出走15頭) 最後の最後、戴冠がこぼれ落ちた。2番手を進んだ1番人気テイエムジンソクはクビ差の2着。ゴール前で逃げ粘るコパノリッキーを競り落とした瞬間、勝ち馬の急襲に遭った。
古川騎手は「もうひと押しだったね。GI初挑戦で勝ちに行き、最後に負けたという感じ。仕方ない」とサバサバした様子で、「まだこれから頑張ってくれると思う」と前を向く。木原調教師も「ハミをかんだぶんだね。でも、GIで走れることは分かった」と手応え十分。短期放牧に出て、来年の飛躍を目指す。
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