開幕を迎えた札幌競馬では28日、牝馬限定の
クイーンS(GIII、芝1800メートル)が14頭立てで行われ、1番人気のミッキーチャームが1分47秒0のタイムで優勝。4月の
サンスポ杯阪神牝馬Sに続く2つ目の重賞タイトルを獲得した。2着は5番人気の
スカーレットカラー、3着は9番人気の
カリビアンゴールドが入った。
真夏の陽気のもと、才媛が“ホームコース”で貫禄の違いを見せつけた。札幌開幕を告げる夏の女王決定戦は、川田騎手に導かれたミッキーチャームが道中4番手から直線、力強く抜け出した。
「無事に競馬を終えられて、何よりでした」
強烈な日差しに照らされた優勝インタビューで、殊勲の鞍上が安堵(あんど)の表情を浮かべる。実績上位の1番人気。しかし今回は初めて背負う56キロに加え、レース前に気にしていた枠順は有利とは言えない外め(13)番。「1コーナーまでが短いコース。内の馬の出方を見ながら運ぶしかなかった。そんな中で、リズム良く取れたのがあのポジション。道中も我慢ができて終始いい手応えで運べたし、直線もいい雰囲気で加速できました」と“無事に”たどり着いた喜びの瞬間を振り返った。
これで洋芝の札幌&函館は4戦4勝。無類の北海道巧者ぶりに「新聞でよく言うところの水が合うってことなんでしょう。輸送がない分、本当にリラックスしていました」と中内田調教師も笑顔をみせる。理想の滞在調整で馬体もプラス10キロとしっかりパワーアップ。「レースでもいいところで我慢できたし、心身ともに成長しています」と、キャリア11戦で2つ目の重賞を手に入れた愛娘をたたえた。
夏はこの一戦で切り上げ、秋は輸送距離の短い京都の
エリザベス女王杯(11月10日、GI、芝2200メートル)をターゲットに捉える。「その前にレースを使うかどうかは、様子を見ながら考えます」とトレーナー。あふれんばかりの才能を、秋の大舞台でも見せつける。 (内海裕介)
ミッキーチャーム 父
ディープインパクト、母リップルスメイド、母の父ダンシリ。鹿毛の牝4歳。栗東・
中内田充正厩舎所属。北海道浦河町・三嶋牧場の生産馬。馬主は野田みづき氏。戦績11戦5勝。獲得賞金1億6548万8000円。重賞は今年のGII
サンスポ杯阪神牝馬Sに次いで2勝目。
クイーンSは
中内田充正調教師、
川田将雅騎手ともに初勝利。馬名は「冠名+魅力」。
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