第59回アメリカジョッキークラブカップ(21日、中山11R、GII、4歳上オープン国際、別定、芝・外2200メートル、1着本賞金6200万円 =出走11頭)ミルコ・デムーロ騎乗の2番人気ダンビュライトが、2番手から抜け出して重賞初制覇を飾った。タイム2分13秒3(良)。このあとは放牧に出され、大阪杯(4月1日、阪神、GI、芝2000メートル)に向かう。2着は1番人気のミッキースワロー、3着は逃げたマイネルミラノ。ゴールドアクターは最下位の11着に敗れた。
人馬ともに勢いは止まらない。準オープンの前走を快勝したダンビュライトが、連勝で初タイトルを奪取。日経新春杯に続く2週連続重賞制覇のM・デムーロ騎手も笑みがはじけた。
「調教に乗って、すごくいい状態だと思っていた。2番手で、展開もすごく良かった。前に行くとフワッとするけど、同じペースだったので早めに動き、直線も本当にいい脚を使ってくれた」
ダッシュ良く好位に付け、前半4ハロン過ぎに逃げたマイネルミラノに接近する。ペースは上がったが、無理には追いかけない。1000メートル通過1分1秒3のミドルペースの中、前と4馬身差。後続とは、その倍以上の差をつける絶好の展開。4コーナーで差を詰め、直線残り200メートルで競り落とす。最後は手綱を抑えて2馬身差の完勝だ。
“仕事人”の腕がさえ渡った。日経新春杯のパフォーマプロミスと同じく、初騎乗での好リードで「すごくいい勝ち方。能力はとても高い。ぼくも頑張ります」と相棒をたたえ、自身を鼓舞する。
「最初にハナに行きかけてアレ?と思ったけど、緩いペースをうまく追いかけた。うれしい」
待望の初タイトルに導いた鞍上を、音無調教師も称賛。昨年は皐月賞3着など、3冠ロードで上位争いを繰り広げながら重賞に手が届かなかっただけに、喜びもひとしおだ。「今回はさらにいい状態だったからね」と地力強化を感じとる。
今後は放牧に出て、大阪杯を目標にする。「もっと上で戦うには成長が欲しい。精神的にまだ幼いし、馬体重ももう少し増えた方がいい」とトレーナーが心身のパワーアップを望むのも期待の大きさの表れ。2012年にAJCCを制し、同年春に香港のクイーンエリザベス2世CでGI初制覇を飾った父ルーラーシップのように、ダンビュライトも大きく羽ばたこうとしている。 (千葉智春)
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ダンビュライト 父ルーラーシップ、母タンザナイト、母の父サンデーサイレンス。黒鹿毛の牡4歳。栗東・音無秀孝厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)サンデーレーシング。戦績11戦3勝。獲得賞金1億7347万3000円。重賞初勝利。AJCCは音無秀孝調教師、ミルコ・デムーロ騎手ともに初勝利。馬名は「無色透明、淡いピンク、黄色、紫などの色彩をもつパワーストーン」。