田辺騎乗で5番人気の
エリカヴィータが4番手追走から直線でひと追いごとに加速し、ゴール前で差し切って重賞初制覇を飾った。逃げ粘った2着
パーソナルハイまでが
オークス(5月22日、東京、GⅠ、芝2400メートル)の優先出走権を獲得。1番人気
ルージュスティリアは最下位の15着に終わった。
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樫の女王候補へ急浮上だ。
フェアリーS10着以来の
エリカヴィータが、降りしきる雨にも負けず力走。ゴール前の競り合いからグイっと抜け出し、
オークスへのチケットをつかんだ。
「開幕週の馬場なので好位につけたかったし、国枝先生との打ち合わせ通りのポジションで進められましたね。きれいな走りをする馬なので雨が気になりましたが、直線で狭くなるところがありながらも、ガッツある感じで伸びてくれました」
初コンビで最高の結果に導いた田辺騎手が、すがすがしい表情を浮かべた。賞金400万円の1勝馬で、
オークスに確実に出るためには、優先出走権が与えられる2着以内が必須。絶好の②番枠をゲットし、迷いなく好位を狙っていった。4番手で迎えた直線。内
マイシンフォニーと外
シンシアウィッシュの間に入って窮屈な態勢での競り合いとなったが、闘志を奮い立たせて残り1ハロンで抜け出すと、逃げ粘る
パーソナルハイも¾馬身捕らえて重賞初Vを決めた。
これが今年の重賞初勝利となった国枝調教師は「直線で押し込められて外に出せなかったけど、狭いところから抜けてきた。競馬で一番大事なものをもっているね」とエリカの強いハートに感心しきり。致命的な不利を受けて10着に終わった
フェアリーSの鬱憤も晴らして満足げだ。昨年の2歳女王
サークルオブライフとの2頭出しとなる
オークスへも「東京芝2400メートルの舞台も全く問題ない。楽しみだね」と手応えも得られた。
昨年はこの
オークスTRで3着だった
ユーバーレーベンが樫の女王に輝いた。2週前の
桜花賞が1着から10着までが0秒3差の大激戦だったことを考えれば、今年も侮れないサンスポ賞組。その筆頭となる
エリカヴィータが、堂々と4週後の晴れ舞台へ向かう。(板津雄志)
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エリカヴィータ 父
キングカメハメハ、母マルシアーノ、母の父
フジキセキ。青毛の牝3歳。美浦・
国枝栄厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は三木正浩氏。戦績3戦2勝。獲得賞金6005万円。重賞は初勝利。
サンスポ賞フローラSは
国枝栄調教師、
田辺裕信騎手ともに初勝利。馬名は「冠名+命(伊)」。