産経賞オールカマーが27日、中山競馬場で9頭によって争われ、戸崎騎乗で5番人気の
センテリュオがハナ差の接戦を制して重賞初勝利を飾った。2着は2番人気の
カレンブーケドールで、出走した2頭の牝馬がワンツー。1番人気の
ミッキースワローは5着に終わった。
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秋の中山GIIで、牡馬を尻目に女の戦いが繰り広げられた。4歳
カレンブーケドールと5歳
センテリュオ。ともに重賞初勝利を懸けたハナ差の接戦を制したのは、1歳年上の
センテリュオだ。
「ゴールしたときは、かわしたか分かりませんでしたが、勝ってくれて馬が力を出し切ってくれました」
初コンビの戸崎騎手が笑顔で振り返る。道中は後方待機。1000メートル通過64秒3の超スローペースとなり、これを嫌って各馬が動き出してペースアップしたのが幸いした。先に動いた
ミッキースワローの後ろから進出し、直線でためていた力を解き放つと、粘り込みを図るブーケドールをゴール直前で捕らえた。
「ペースは遅いと思ったけど、途中から流れてくれて良かった。外々を回って差し切るんだから力がある証拠です」と鞍上は切れ味を絶賛した。
ホッとした表情を見せたのが高野調教師だ。「めちゃめちゃうれしいです。素質はあるけどデビューが遅かったし、勝てるレースを勝てなかったり、重賞で人気になっても成績を出せなかったり、ここまで長かった」と笑みがこぼれっぱなしだった。
次走は、昨年4着の
エリザベス女王杯(11月15日、阪神、GI、芝2200メートル)へ向かう。「そこを目標にローテーションを組んできました。昨年の4着はフロックじゃないですし、より状態を上げていきたい」とトレーナーの意気も揚がる。
5歳秋に開花した遅咲きの
ディープインパクト産駒。この勢いで、ビッグタイトルも手中に収める。(柴田章利)
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センテリュオ 父
ディープインパクト、母アドマイヤキラメキ、母の父エンドスウィープ。鹿毛の牝5歳。栗東・
高野友和厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)キャロットファーム。戦績16戦5勝。獲得賞金1億7529万6000円。重賞は初勝利。
産経賞オールカマーは
高野友和調教師が2015年
ショウナンパンドラに次いで2勝目。
戸崎圭太騎手は14年
マイネルラクリマに次いで2勝目。馬名は「煌めき(スペイン)。母名より連想」。