サマーマイルシリーズ第2戦の
中京記念が19日、阪神競馬場で18頭によって争われ、18番人気の
メイケイダイハードが力強く差し切った。近5走続けて2桁着順だったが、アッと驚く激走で重賞初制覇を果たした。2着に6番人気の
ラセット、3着に9番人気
エントシャイデンが入り、3連単はレース史上最高となる330万2390円の大波乱となった。
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もしスタンドにファンがいれば、大きなどよめきが起こっていたことだろう。激戦のマイル戦を突き抜けたのは、シンガリ18番人気の
メイケイダイハード。初コンビで激走に導いた酒井騎手が、踏ん張りをたたえた。
「(直線は)外から馬がきている気配は感じていましたが、ダイハード自身が最後まで諦めず頑張ってくれました」
道中は中団に控え、馬場のきれいな外めを追走。3~4コーナーでスパートを開始すると、鞍上の左ムチに応えてジリジリと加速。ラスト1ハロン過ぎで先頭に立ち、2着
ラセットの追撃をクビ差で振り切った。「やれないタイプじゃないと思ってましたし、(荒れた)馬場もこなせると思っていました」。もくろみ通りの激走で、3連単配当330万円超えという大波乱の立役者となった。
前走までの5連続2桁着順が嘘のような快勝に、中竹調教師は「びっくりしたね。具合がいいとは思っていたけど、パドック、装鞍所で馬っ気を出していたので『どうかな』と思っていた。具合の良さが直結してくれたかな」と目を丸くした。大きな1勝(GIII勝ち)で10ポイントを獲得し、サマーマイルシリーズの単独首位に立った。
次走は未定ながら「ポイントを稼ぐことができたからね。(シリーズ王者を)狙っていくことになるのかな」と指揮官。目指すは夏のマイル王。この1勝が、フロックだったとは言わせない。(山口大輝)
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メイケイダイハード 父ハードスパン、母メイケイソフィア、母の父
キングカメハメハ。鹿毛の牡5歳。栗東・
中竹和也厩舎所属。北海道浦河町・浦河小林牧場の生産馬。馬主は名古屋競馬(株)。戦績28戦5勝。獲得賞金1億211万4000円。重賞は初勝利。
中京記念は
中竹和也調教師、
酒井学騎手ともに初勝利。馬名は「冠名+最後まで頑張る」。
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