関西は京都競馬が終了し、阪神に舞台が移り、土曜メインに
鳴尾記念(6日、GIII、芝2000メートル)が行われる。2015年にはこのレースを制した
ラブリーデイが
宝塚記念も連勝し、昨年Vの
メールドグラースはその後、豪GIコーフィールドCを制覇。今後のGIシリーズを占ううえでも注目の一戦だ。
ラヴズオンリーユー(栗東・
矢作芳人厩舎、牝4歳)は5月29日に、同馬を所有するDMMバヌーシーがホームページで出走の意向を発表した。最終的な出否は馬のコンディションを見極めながら判断されるが、
オークス優勝、
エリザベス女王杯3着の実績は牡馬相手でも光る。今季初戦の
ヴィクトリアマイルは中団追走から7着に終わり、「終始ゴチャつく形になってしまいました。約半年ぶりも影響したかも」とミルコ・デムーロ騎手。マイルの高速決着が合わなかっただけに、2ハロン延長は好材料だ。
コントレイルで牡馬2冠を制した厩舎の勢いにも乗り、復活の勝利を飾りたい。
このレース5勝の実績を誇り、15~18年には4連覇も達成した栗東・
池江泰寿厩舎。今年は
サトノルークス(牡4歳)を送り込む。昨春の2冠はともに2桁着順と振るわなかったが、秋は
セントライト記念2着から本番の
菊花賞でも2着と好走した。左前膝骨折で長期休養を余儀なくされたが、5月20日にCWコース6ハロン81秒0-12秒0(一杯に追う)、29日同81秒7-11秒8(一杯に追う)と好時計をマークしている。内回りの2000メートルはやや忙しい感もあるが、地力の高さで上位に進出してくるはずだ。
ドミナートゥス(栗東・
宮本博厩舎、牡5歳)はここまでキャリア【4・4・0・1】。屈腱炎による1年4カ月の休養明けだった2走前(11着)を除けば連対を外しておらず、まだ底を見せていない魅力がある。前走・福島民報杯2着の内容から内回りの2000メートルもぴったりの印象。重賞初挑戦Vを成し遂げても全く不思議ではない。
古豪
パフォーマプロミス(栗東・
藤原英昭厩舎、牡8歳)は約1年1カ月ぶりの復帰戦。昨春の
天皇賞・春で3着に好走した後に右橈骨(とうこつ)遠位端骨折が判明し、今年2月の
京都記念も右前肢の骨膜で回避するなど順調さを欠いているが、GII2勝の実力は軽視できない。斤量56キロ以下で出走した場合は【6・2・1・0】という頼もしいデータからも有力候補の一頭だ。
レッドガラン(栗東・
安田隆行厩舎、牡5歳)は前走・
新潟大賞典で6着に終わったが、重賞初挑戦だったことを思えば酌量の余地はある。全5勝中4勝を挙げる阪神に替わって巻き返しだ。
キメラヴェリテ(栗東・
中竹和也厩舎、牡3歳)は先週の
日本ダービーを除外されて、こちらへ回ってきた。この舞台では若葉Sで好時計の2着。斤量も52キロと軽いだけに、すんなり先手を奪えれば粘り込みのチャンスがある。
去勢明けをひと叩きされての上積みが見込める昨年の2着馬
ブラックスピネル(栗東・
音無秀孝厩舎、セン7歳)、このコースで18年
チャレンジCを制している
エアウィンザー(栗東・
角居勝彦厩舎、牡6歳)なども侮れない存在だ。