令和最初のGIとなる
NHKマイルカップが5日、東京競馬場で18頭によって争われ、M・デムーロ騎乗で2番人気のアドマイヤマーズが中団追走から抜け出してV。昨年の
朝日杯FSに次ぐ2度目のGI制覇を果たした。4位で入線した1番人気の
グランアレグリアは走行妨害で5着に降着となり、ルメール騎手は加重制裁で11日から26日まで開催日6日間の騎乗停止。
日本ダービーの
サートゥルナーリアなど多くの有力馬に騎乗できなくなった。
男として、王者として負けられなかった。直線の攻防を制し、アドマイヤマーズが昨年の
朝日杯FSに続くGI2勝目。ともに復活を印象づけたM・デムーロ騎手は、検量室前で何度も愛馬の首筋を叩いてねぎらった。
「最高! 感謝です! 思ったより後ろになったけど、前に行く馬が多くて道中はスムーズ。直線では手応え抜群。外から馬が来たら耳を絞ってまた伸びてくれました」
軽く出負けしたが、押して中団の外を追走。4コーナーで追い出されると、断然人気の牝馬
グランアレグリアが伸びあぐねるのを尻目に、どんどん加速していく。残り100メートルで先頭に立ち、そこへ
ケイデンスコールが迫ったが「負けたくない気持ちがある」相棒が勝負根性を全開。半馬身差でゴールを駆け抜けた。
昨年の
ホープフルS(
サートゥルナーリア)以来のGI29勝目で、今年初戴冠の鞍上だが、1~3月と2桁勝利の一方、4月は6勝どまり。重賞も
日経新春杯以降は勝てなかったが、気持ちは萎えていなかった。勝ち星が伸びず、腰痛説などの噂話も耳に届いたが「全然痛くない。令和で初めてのGIを勝てて気持ちいい。スッキリです」と破顔一笑だ。
管理する友道調教師は2015年
クラリティスカイに続く2度目のV。GIは7年連続の通算11勝目となった。「最後はどうかミルコ頑張ってくれ…と。お互いGIで勝てていなかったので、良かったです」。ジョッキーと何度もハグして喜んだ。距離を延ばして
共同通信杯2着、
皐月賞4着と苦杯をなめたが、これでマイルは5戦全勝。ほっと胸をなで下ろした。
この後は休養し、秋に備える。「一番結果が出ているし、マイルを中心に使っていくことになると思います」とトレーナー。具体的な復帰戦などは未知数だが、
マイルCSなどで古馬との戦いが待っている。2歳、3歳とマイル王の座に就いたアドマイヤマーズが、令和の始まりとともにマイル界制圧に乗り出した。(千葉智春)
★ノーザンF生産馬、1~6着独占
1~6着を独占した北海道・安平町ノーザンファーム生産馬。吉田勝己代表(70)は、「(そうなることを)期待していたし、うれしいね」と笑顔で応じた。これで同ファーム生産馬は
大阪杯からGI5連勝。
この日、近藤利一オーナー(76)はテレビ観戦。表彰台には夫人の彩花さんが登壇した。
また、マーズの母ヴィアメディチは、4月27日に
ハーツクライ産駒の牝馬を出産。中島文彦場長(50)は、「脚が長くてきれいな体つき。バランスが実に良い」と高く評価している。
キンシャサノキセキを父に持つ2歳の妹は、栗東・角居厩舎に入厩予定。
ドゥラメンテを父に持つ1歳の妹は、クラブ法人シルクホースクラブの募集ラインアップに入る予定だ。
★5日東京11R「
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★入場&売り上げ
NHKマイルCの売り上げは158億3170万5800円で前年比106・9%とアップ。これで今年のGIは7レースを終了し、前年比売り上げ増は
フェブラリーS、
高松宮記念、
大阪杯、
皐月賞に次いで5レース目。入場者は6万3311人で前年比127・6%のにぎわいだった。
アドマイヤマーズ 父
ダイワメジャー、母ヴィアメディチ、母の父メディシアン。栗毛の牡3歳。栗東・
友道康夫厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は近藤利一氏。戦績7戦5勝。獲得賞金2億7352万5000円。重賞は2018年GII・D杯2歳S、GI・
朝日杯FSに次いで3勝目。
NHKマイルCは
友道康夫調教師が15年
クラリティスカイに次いで2勝目。ミルコ・デムーロ騎手は初勝利。馬名は「冠名+火星」。