前走内容と着順は、今回のオッズに直結する重要ファクターのひとつ。
当連載は素質選定マイスター・
ろてむプロが映像回顧をもとに前走を徹底分析し、血統・コース適性・成長度などの観点から導いた注目馬のオッズ妙味をS・A・B・Cの4段階で評価したものです。
特別登録を基に当週重賞を予習する際の参考資料としてご活用下さい。
※評価(オッズ妙味)は上からS(高い)~C(低い)の4段階
【人気ゾーン:想定1~3番人気】
●ダブルハートボンド【
S】
前走:ブリーダーズゴールドC(2着)
展開:不利
≪前走回顧≫
オーサムリザルトとの競り合いで、2頭による雁行逃げの形。直線では
オーサムリザルトを振り切ったものの、中団待機の馬に差されて惜しい2着。展開のあやに泣いたが内容はかなり強い。脚元に弱さを抱える牝馬だけに課題は残るが、血統はトレンドど真ん中で、素質は十分に高い。
●アウトレンジ【A】
前走:
帝王賞(2着)
展開:普通
≪前走回顧≫
スタートで出して行き、インの4番手を確保。直線は外に持ち出すとエンジンがかかり、鋭く追い込んで2着。やや不器用だが、展開がはまれば強いタイプか。砂を被るのが苦手な馬だが、このレースでは我慢できており、成長を感じる。父レガーロは実績こそ乏しいが血統的には優秀で、母系にもポテンシャルがあり、まだ伸びしろが見込める。
●ロードクロンヌ【B】
前走:
エルムS(2着)
展開:不利
≪前走回顧≫
行き脚よく先行し、特に難しいところを見せずレースを運んだ。器用なタイプだが、勝負どころで外の馬の捲りに遭い、それに応戦して早仕掛けになった。勝ち馬とはポジション差によるところが大きく、負けて強しの内容。ただ、指数的には過去の
エルムSと比べると低めのレースではある。
【中穴ゾーン:想定4~9番人気】
●サイモンザナドゥ【C】
前走:
シリウスS(2着)
展開:恵まれ
≪前走回顧≫
押して押して中団やや前に取り、中ポケットにスムーズに収まると、直線も外がきれいに開いた。やや恵まれた印象はあり、指数的にも過去10年で最も低いレース。3走前からある程度ポジションを取りに行く戦法に変え、成績が向上。その点で言えばまだ伸びしろは十分にありそうだ。
●レヴォントゥレット【C】
前走:
日本テレビ盃(2着)
展開:普通
≪前走回顧≫
勝ち馬に食い下がっての2着。
フォーエバーヤングに次ぐ2着が目立ち、正直、ここでのオッズ妙味は発生しないだろう。母はダート重賞で常連だったが、父
ロードカナロア×母父
マンハッタンカフェという配合で、ダート重賞で覚醒するのは少し違和感。
●ドゥラエレーデ【B】
前走:コリアC(5着)
展開:不利
≪前走回顧≫
1コーナーまでにポジションを確保できず、5頭分外を回るロスがあった。直線でも内に切り替えるロスがあり、やや負けすぎという印象もあるが、気持ちが切れた部分もありそうだ。
エルムSでは落鉄の影響、
フェブラリーSでは距離不足で能力を出し切れないレースが続いている。
●ペリエール【B】
前走:
エルムS(1着)
展開:普通
≪前走回顧≫
楽に先行して直線では突き放す快勝。これまで大箱で左回りを選んで使われていたとは思えないほど、小回りの利く走りを見せた。過去の指数と比べると全体的にはやや低めだが、京都のダートコースでも対応できそうな器用さを感じさせる。
●シゲルショウグン【B】
前走:カノープスS(1着)
展開:普通
≪前走回顧≫
スタート後に隣の馬がヨレてきて接触する不利を受け、予定していた逃げの形には持ち込めなかった。それでも好位から抜け出して勝利した内容は評価でき、位置取りに幅が出たのは大きな成長。父
モーリス×母父Redoute's Choiceという配合から芝寄りの適性が高く、雨で時計が速くなる馬場の方が力を発揮できそうだ。
●ラムジェット【C】
前走:コリアC(3着)
展開:普通
≪前走回顧≫
スタート直後に何度も接触する不利がありながらも、強引に先行して展開を作る内容。絶好のポジションから直線で粘ったが、最後は差し込まれて惜しくも競り負けた。不器用が故に、現状ではワンターンのコース向き。右回りよりも左回りコースの方が力を発揮できそうだ。
【大穴ゾーン:想定10番人気以下】
●レイナデアルシーラ【C】
前走:トルマリンS(1着)
展開:普通
≪前走回顧≫
テンのスピードが速く、難なく先手を奪ってそのまま押し切り勝ち。スピードと地力の高さを感じさせる内容だった。ただし距離はやや長い印象で、ベストはもう少し短めの距離だろう。牝馬限定戦では通用しても、混合G3ではどうか。基本的にこのパターンは期待値はかなり低い。
●ブライアンセンス【A】
前走:
シリウスS(5着)
展開:普通
≪前走回顧≫
押して押してようやく中団につけられるタイプで、芝スタートはあまり向いていなかった印象。瞬発力勝負になると分が悪く、展開的にもこの馬には噛み合わなかった。それでも最後まで集中して走れており、悲観する内容ではない。持続力を生かせる京都コースはベスト条件で、舞台替わりでの巻き返しが期待できる。
●サンデーファンデー【C】
前走:名古屋城S(3着)
展開:恵まれ
≪前走回顧≫
リズムよく走らせれば持ち味を最大限に発揮できるタイプ。前走は馬群の隊列がすぐに決まり、適度に落ち着いたペースで直線を迎える理想的な展開。スムーズに運べた分、力を出し切れた印象だ。走りのフォーム的にも左回りのほうが
リズムが合っており、得意コースで得意な展開に恵まれた印象。
●スナークラファエロ【A】
前走:カノープスS(3着)
展開:不利
≪前走回顧≫
スタートでヨレて他馬と接触する不利を受け、やむなく後方からの競馬に。道中は
リズムを立て直しつつ、向正面から早めに捲り気味に進出。4コーナーでは5頭分外を回すロスを強いられたが、それでも直線でしぶとく脚を伸ばしており、内容的には負けて強し。展開や位置取りに泣かされたが、スムーズなら上位争いできる力を示した。去勢明け3戦使った4歳馬。さらなる上積みも見込めそう。
●ノースブリッジ【C】
前走:
天皇賞・秋(11着)
展開:普通
≪前走回顧≫
2年連続で
天皇賞・秋に出走したが、陣営は「舞台適性はない」と明言しており、条件面での苦戦は想定内。今回はスタート直後にアクシデントがあり、持ち味の先行策が取れずに万事休す。もともと前に行ってこそ真価を発揮するタイプで、後方からでは見せ場を作るのが難しい。血統的にダート適性は感じられない。条件替わりでの一変までは見込みにくい。
●デルマソトガケ【C】
前走:
フェブラリーS(14着)
展開:普通
≪前走回顧≫
距離短縮で追走に脚を使ってしまい、直線では余力が残らずに失速。元来、エンジンのかかりが遅いタイプで、前半から脚を使わされる展開は向かない。口向きに難があり右回りではロスが大きく、左回りでスムーズに走れた方が力を出せる印象。気性面の課題が近走で悪化しており、レース中に力む場面も増えている。
●エアロロノア【C】
前走:
キャピタルS(14着)
展開:普通
≪前走回顧≫
得意の外枠を引きながらも、レースでは見せ場を作れず完敗の内容。去勢明けから4戦を消化しているが、依然として馬体重は回復しきれておらず、本来の迫力を欠いている印象だ。以前はもう一回り逞しいシルエットで、推進力のあるフォームが持ち味だっただけに、現在の軽さは気になるところ。状態面の上積みが見込めるまでは、評価を控えたい段階だ。
評価一覧はこちら↓
S ダブルハートボンド
A
アウトレンジ、
ブライアンセンス、
スナークラファエロ
B
ロードクロンヌ、
ドゥラエレーデ、
ペリエール、
シゲルショウグン
C
サイモンザナドゥ、
レヴォントゥレット、
ラムジェット、
レイナデアルシーラ、
サンデーファンデー、
ノースブリッジ、
デルマソトガケ、
エアロロノア
※最終結論はプロ予想MAXにて公開!
※「該当馬」「注目馬」は前週時点の情報に基づいて選出しており、特別登録や出馬投票を行わない可能性があります。