団野大成(25)=栗・斉藤崇=騎乗で、1番人気の
ヤマニンアルリフラが3連勝で重賞初挑戦V。直線で馬群から抜け出し、ゴール前の大接戦を制した。1番人気の勝利は2008年
スリープレスナイト以来。5番人気の
ヨシノイースターが2着、3着には7番人気の
アブキールベイが入った。
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最高気温34度と酷暑の小倉で新星が誕生した。重賞初挑戦とは思えない強さで突き抜けた
ヤマニンアルリフラが、3連勝でタイトルを奪取。今年JRA重賞初勝利の団野騎手は、大粒の汗を流しながら相棒をたたえた。
「直線でスペースがあいたときには突き抜けるな、という手応えはありました。期待通りか、それ以上のパフォーマンスをしてくれました」
前半3ハロンは32秒5のハイペース。それでも鞍上は「思った通りでした」と動じず、中団に待機。スムーズに直線を向いて左ステッキが入ると、スペースを突いてグイグイと進出。瞬く間に馬群から抜け出し、ゴール前の大接戦を半馬身差で制した。
デビューから8戦して未勝利も、昨年12月に格上挑戦で臨んだジングルベル賞(2勝クラス)での初勝利をきっかけに、約半年で一気にOP入りを果たした。この日の馬体重はデビュー以来の最高の496キロ。所属厩舎で普段から携わっている鞍上は、「昨年末からの成長力には驚かされます」と目を見張った。
昨年、無傷の5連勝で
プロキオンSを制した半兄
ヤマニンウルス(父
ジャスタウェイ)に続いて重賞ウイナーになった。記念撮影には、同じ馬主で4着だった半姉
ヤマニンアンフィル(父
ダイワメジャー)も参加。自身を含めて現役のきょうだい4頭はいずれもOP馬と活気のある血筋だ。
馬の状態を見ながらになるが、次走はサマースプリントシリーズ4戦目の
CBC賞(8月10日、中京、GⅢ、芝1200メートル)を視野に入れる。「昇級戦でも力をあるところを見せてくれました。成長して立派になってきたなという印象です。ここからもっとよくなると思います」と斉藤崇調教師は今後に期待を寄せた。充実一途の
イスラボニータ産駒が、ナツコクからさらなる飛躍を遂げる。(北池良輔)
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ヤマニンアルリフラ 父
イスラボニータ、母ヤマニンパピオネ、母の父スウェプトオーヴァーボード。芦毛の牡4歳。栗東・
斉藤崇史厩舎所属。北海道新冠町・錦岡牧場の生産馬。馬主は土井肇氏。戦績13戦4勝。重賞は初勝利。獲得賞金1億399万5000円。
北九州記念は
団野大成騎手が2023年
ジャスパークローネに次いで2勝目、
斉藤崇史調教師は初勝利。馬名は「冠名+旅(アラビア語)」。
