8番人気の
シンリョクカが道中2番手追走から抜け出し、
セレシオンの猛追をハナ差しのいで重賞初制覇を飾った。
木幡初也騎手(29)=美・竹内=、
竹内正洋調教師(45)=美=も重賞初V。今後は
エリザベス女王杯(11月10日、京都、GⅠ、芝2200メートル)に直行する予定。なお、人気を集めていた
ライトバックはレース前に放馬し、競走除外となった。
夏の終わりに大きなご褒美が待っていた。
新潟記念を制したのは、木幡初騎乗の4歳牝馬
シンリョクカ。狙いすました先行策からの抜け出しで人馬ともに歓喜の重賞初Vを飾った。
「(竹内)先生や(由井健太郎)オーナー、厩舎にものすごくお世話になっている。ちょっとですけど、恩返しできてよかった」
引き挙げてきた検量室で騎手仲間からハイタッチで祝福された殊勲の鞍上が喜びをかみしめる。前走の福島牝馬Sは道中でつまずいて落馬、競走中止。馬も自身も骨折で戦列を離れることとなったが、コンビ継続で挑んだ重賞で鮮やかすぎる捲土(けんど)重来を果たした。「
アリスヴェリテが行くのは分かっていたし、2番手で馬場のいい5、6分どころを走らせたいと思っていた。負けん気と根性がすごくて、女の子だけど尊敬しかない。僕も順調とはいえないけど、ここまで何とかしがみついてきてよかった。悪い夏じゃなかったです」と、デビュー11年目での初タイトルに穏やかな笑みを浮かべた。
「トレセンではおとなしすぎるかなと思っていたけど、気性的に成長してくれたんでしょう。前走であんなことがあったのに、一発目から結果を出してくれたし、
シンリョクカと(木幡)初也で勝ててよかったです」
開業10年目で重賞初制覇となった竹内調教師も晴れやかな表情。「まだ上積みがありそうな状態で勝ってくれたし、問題がなければ
エリザベス女王杯に直行させたい。(鞍上は)オーナーが許してくれる限り初也でいきます」とコンビでの頂点取りも力強く宣言した。人馬の絆が輝いた夏のフィナーレ。相思相愛タッグが牝馬路線を盛り上げていく。(内海裕介)
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シンリョクカ 父
サトノダイヤモンド、母レイカーラ、母の父
キングカメハメハ。鹿毛の牝4歳。美浦・
竹内正洋厩舎所属。北海道日高町・下河辺牧場の生産馬。馬主は由井健太郎氏。戦績10戦2勝。獲得賞金1億138万8000円。重賞は初勝利。
新潟記念は
木幡初也騎手、
竹内正洋調教師ともに初勝利。馬名は「心力歌」。
★3年連続優勝馬なし
サマー2000シリーズは
新潟記念で終了したが、優勝条件(1勝以上かつ13ポイント以上)を満たす馬がいなかったため、シリーズチャンピオンは該当馬なしとなった。同シリーズで王者が誕生しなかったのは3年連続4度目。