クラシック開幕戦の
桜花賞が9日、阪神競馬場で行われる。2日の
大阪杯で史上最年長のJRA・GⅠ制覇を達成し、歴代最多の
桜花賞5勝を挙げている武豊騎手(54)=栗・フリー=は、新馬、
シンザン記念を連勝している無敗の
ライトクオンタムで参戦。自身が騎乗して、GⅠを7勝した
ディープインパクトの最終世代産駒で挑む心境などを直撃した。(聞き手・丸橋正宣)
──新馬戦、
シンザン記念を連勝して2戦2勝
「前走はゲートでずっとガタガタしていたし、出遅れて道中はずっと右にササって、ロスの多い競馬になってしまいました。それでも勝ち切ってくれたのは大きいですね。2戦目で牡馬を相手にして重賞を勝つくらいだし、改めて能力が高いなと思いました」
──良さは
「やはり
ディープインパクト産駒らしい、軽くてスピードのある走りをするところです。前走も馬場のいい外めを選んで、素晴らしい伸びを見せてくれました」
──3月29日の1週前追い切りに騎乗して、栗東CWコースで6ハロン84秒7-12秒0。併せ馬で先着した
「少し行きたがる面は見せていたけど、(右に)ササる面は思ったよりもましになっていました。重いウッドでは動けないタイプだけど、状態は悪くないと思いますよ」
──3カ月ぶりの実戦。成長は
「大きく変わった、というところはないですけどね。(右に)ササる面はかなり収まってきていたから、あとは精神的に落ち着いてくれれば、というところじゃないでしょうか」
──右回りに替わることは
「右回りに替われば、内に行ってしまうことになるかもしれません。それでも外へ張るよりはいいと思います。あとは跳びが大きくて軽い走りなので、できれば良馬場でやりたいです」
──自身が騎乗した
ディープインパクトの最終世代の産駒で挑戦する
「最後の世代の頭数は少なかったけど、こんなチャンスがある馬に乗せてもらえる機会があるのはありがたいことですよね。自分も最終世代からクラシックに出る馬を出したいと思っていたし、またそれに乗ることができる、というのはやはり縁があるのかなと思いましたね」
──今年も弟の
武幸四郎調教師とのタッグで
桜花賞に挑む
「去年(
ウォーターナビレラ2着)は一旦は勝ったと思ったけどね…。着差が着差だった(ハナ差)だけに悔しいレースになってしまいました。弟と出ることについてはそこまで特別な意識はしていないですけど、チャンスをもらったからにはいい結果を出したいですね」
──
桜花賞は歴代最多の5勝。Vなら2004年
ダンスインザムード以来
「そんなに勝ってないんだ。子どものときから見ていて好きなレースだし、思い入れはあるレースですよ。惜しいレースが最近続いているし、今年も楽しみですね」
★通算6度目、2週連続のGI連勝へ
武豊騎手は、2日の
大阪杯を
ジャックドールで勝ち、史上最年長の54歳0カ月19日でのJRA・GⅠ勝利。今週の
桜花賞を勝てば、2006年(
天皇賞・春、
ディープインパクト、
NHKマイルC、
ロジック)以来、通算6度目の2週連続GⅠ制覇となる。JRAの最高齢GⅠ勝利記録を更新したジョッキーが17年ぶりの偉業に挑む。
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ディープインパクト 2002年3月25日生まれ。父サンデーサイレンス、母ウインドインハーヘア。現役時は栗東・池江泰郎厩舎に所属し、14戦12勝(うちGⅠはクラシック3冠を含む7勝)。種牡馬転向後は、初年度から4頭のGI馬を出し、12~18年にJRAリーディングサイアー。20年生まれの現3歳が最終世代産駒で6頭がJRAに登録されている。