勝利の女神
mihimalist
とぅっけ
霧
豚ミンC
P-chan☆
暴君アッキー
くりーく
スガダイ
中山名物の急坂が待ち構える直線の攻防は、新春の澄んだ空気を一気に熱くした。上位4頭が同タイムにひしめく大接戦をわずかに抜け出たのは明け4歳馬ラーグルフ。クリノプレミアムの追い上げをハナ差振り切り、待望の重賞初制覇だ。「使うごとに少しずつ成長してきた馬で、ここもチャンスだと感じていた。以前はポジションを取れなかった馬が、今は自分で取りにいけるようになったし、トモ(後肢)や背腰がしっかりしてきたからでしょう」昨年8月にコンビを組んで4戦3勝。戸崎騎手が一歩一歩着実に成長してきた相棒をたたえた。③番枠からロスなく運んで、4コーナーでは2着馬を外から封じ込めた鞍上のリードもさえた。この中間、帰厩後は体調を整えるのに時間がかかった経緯もあり、「正直、返し馬では少し硬さを感じた」と主戦は明かしたが、それでも重賞を勝ち切ったのは大きい。「まだまだ成長できると思う」と伸びしろ豊かな明け4歳に期待はふくらむばかりだ。戸崎騎手自身もこの日4勝で全国リーディング首位の好発進。昨年、関東リーディングを奪取してMVJにも輝いた名手は新潟2歳S以来4カ月ぶりの重賞制覇も飾り、勢いは増すばかりだ。晴れて重賞タイトルを手にしたラーグルフ。宗像調教師は大事に磨いてきた素質馬の開花に笑みを浮かべ、「落ち着きが出たことで集中できるようになり、鞍上の指示も聞けるようになった。今年の飛躍を期待しています」とさらなるステップアップを望む。次走は未定ながら、新春の爽やかな日差しを浴びた黒鹿毛の将来は、希望にあふれている。(板津雄志)◇Aラーグルフ父モーリス、母アバンドーネ、母の父ファルブラヴ。黒鹿毛の牡4歳。美浦・宗像義忠厩舎所属。北海道日高町・スマイルファームの生産馬。馬主は村木隆氏。戦績10戦5勝。獲得賞金1億2243万8000円。重賞は初勝利。中山金杯は宗像義忠調教師が初勝利。戸崎圭太騎手は2018年セダブリランテスに次いで2勝目。馬名は「ディートリッヒ伝説に登場する武器の名」。