中京競馬場では土曜メインに
鳴尾記念(6月4日、GⅢ、芝2000メートル)が行われる。昨年の勝ち馬
ユニコーンライオンは続く
宝塚記念でも2着に好走。今年は登録こそ12頭と少いが、上半期のグランプリを見据えた素質馬もおり、実力伯仲の楽しみな好メンバーが集まった。
サンレイポケット(栗東・
高橋義忠厩舎、牡7歳)は昨秋の天皇賞、
ジャパンCでともに4着。
エフフォーリア、
コントレイル、
グランアレグリア、
シャフリヤールなど現役最強クラスにしぶとく食い下がった走りから、ここでは地力上位の存在といえる。今年の2戦(
京都記念3着、
金鯱賞7着)は、いずれも前残りの流れに泣かされた印象。左回りの2000メートルは最適条件だけに、今回も展開面がポイントとなりそうだ。
紅一点の
ジェラルディーナ(栗東・
斉藤崇史厩舎、牝4歳)は今年の飛躍が期待される一頭。母の
ジェンティルドンナは2012年の牝馬3冠をはじめ、国内外でGⅠを7勝。血統背景からも成長力は十分だ。前走の
サンスポ杯阪神牝馬S(6着)は久々のマイルの流れに戸惑って最後方からの競馬となったが、メンバー最速の上がり3ハロン33秒4の瞬発力を発揮した。2ハロンの距離延長はプラスに働きそうで、鋭い末脚を武器に重賞初制覇を狙う。
ヴェルトライゼンデ(栗東・
池江泰寿厩舎、牡5歳)は昨年のアメリカジョッキークラブC2着後に屈腱炎を発症し、1年4カ月ぶりの実戦となる。帰厩後はひと追いごとに良化気配を見せており、25日の1週前追い切りでは栗東坂路で4ハロン50秒9-11秒7の自己ベストをマーク。
ホープフルS2着、
日本ダービー3着など、ポテンシャルはGⅠクラス。長期ブランクの割引は必要だが、地力に警戒が必要だろう。
カイザーバローズ(栗東・
中内田充正厩舎、牡4歳)は昇級で重賞初挑戦となった前走の
新潟大賞典で
レッドガランのクビ差2着。スタートで遅れて後方からの競馬を強いられたが、メンバー最速の末脚で追い上げた。休み明けをひと叩きした上積みは十分。キャリアも8戦と浅く、まだまだ伸びしろも大きい。
ヤシャマル(美浦・
尾形和幸厩舎、牡5歳)は3連勝で昨年5月にオープンに上がり、その後も一戦ごとに着実に力をつけてきた。確かな末脚を武器に、近2走は重賞で連続3着と充実ぶりを見せている。引き続き得意の左回りの中距離戦なら、上位争いが期待できそうだ。
ギベオン(栗東・
藤原英昭厩舎、牡7歳)は逃げ切りを決めた昨年の
金鯱賞、18年
中日新聞杯の重賞全2勝をこの舞台でマーク。連覇を狙った前走の
金鯱賞もハイレベルの超高速決着の中、好位から粘り強い走りを見せて5着に踏ん張った。当時より相手関係は楽になるだけに、前進が見込めそう。
ショウナンバルディ(栗東・
松下武士厩舎、牡6歳)は同舞台で行われた昨年12月の
中日新聞杯を逃げ切っている。相手がそろっていた近2走は先行する自分の形を作れなかったが、前々でリズム良く運べれば粘り込みがあっていい。
キングオブドラゴン(栗東・
矢作芳人厩舎、牡5歳)は昇級戦で一気の距離延長となった前走の
阪神大賞典が、先手を奪う形から6着と上々の走り。実績を残す距離に戻って、持ち前の粘り強さが増しそうだ。
