8番人気の
アスクワイルドモアが重賞初勝利を飾り、
日本ダービー(29日、東京、GⅠ、芝2400メートル)の切符をつかみ取った。勝ち時計2分9秒5はJRAレコード。岩田望騎手と藤原調教師の師弟コンビは28度目の挑戦で重賞初制覇だ。2着は7番人気の
ヴェローナシチーで、1番人気の
ブラックブロッサムは5着で初黒星。
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師弟の厚い信頼関係で
日本ダービーの切符をつかみ取った。
アスクワイルドモアが4度目の挑戦で重賞初制覇。師匠の藤原調教師とは28度目のタッグで重賞タイトルを手にした岩田望騎手が、喜びをかみしめた。
「能力がある馬と思っていましたし、だいぶ2歳の頃より成長してパワーもつけたので結果につながったと思います。少し他馬を妨害してしまいましたが、最後の伸びは素晴らしかったです」
道中は中団やや後方のインをロスなく追走。4コーナーで外に持ち出す際に他馬の進路をカットする形となったが、直線は力強く脚を伸ばして、先に抜け出していた
ヴェローナシチーを半馬身差でねじ伏せた。従来の記録を0秒2塗り替える2分9秒5のJRAレコードも叩き出し、大一番への道を切り開いた。
東京競馬場で臨場していた藤原調教師は「よく勝ち切ってくれた。能力はあったし、条件的にも良かった。ただ、4コーナーで他馬に迷惑をかけて申し訳ない」と振り返った。ダービー参戦は様子を見ながらも、岩田望騎手は「僕も初めてのダービーになるので、この馬ともども無事に迎えられたらいいなと思います」と力を込めた。
父の
キズナは2013年にこのレースを制して
日本ダービー馬に輝いた。その背中を追う充実一途の人馬が同世代の頂点を目指す。(斉藤弘樹)