横山武騎乗で1番人気の
ナミュールが、メンバー最速タイの上がりをマークして差し切り、重賞初制覇を飾った。13番人気で2着の
ピンハイ、昨年の最優秀2歳牝馬で3着の
サークルオブライフまでが
桜花賞(4月10日、阪神、GI、芝1600メートル)の優先出走権を獲得した。
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春の陽気に包まれた仁川の直線で
ナミュールが豪脚一閃。初騎乗でVへと導いた横山武騎手が安堵の表情で振り返った。
「賞金的にも権利は絶対だと思っていましたし、そういうプレッシャーの中でよく頑張って走ってくれたと思います」
課題のゲートを五分に出て中団馬群で脚をためた。直線半ばまでは前が壁になって追い出せなかったが、何とか外に持ち出すとぐんぐん加速。内で抜け出しを図る2歳女王
サークルオブライフを並ぶ間もなくかわし、メンバー最速タイの上がり3ハロン33秒9で後続に1馬身半をつけた。
デビュー2連勝で臨んだ昨年末の
阪神JFは1番人気に支持されたが、出遅れが響いて4着敗戦。この中間はゲート練習で課題克服に取り組んだ。また背腰の筋肉の可動域が大きく負担がかかりやすいため、間隔をあけたことも結果につながった。同レース連覇を飾った高野調教師は「決して楽な競馬ではなかったけど、馬の力を見せてくれたと思います。体に芯が入っていない中で、重賞を勝つんだから大したものです」とたたえた。
横山武騎手は「まだ伸びしろもありますし、どれだけ成長してくれるか楽しみです。順調に本番を迎えてほしいです」と晴れ舞台を見据えた。次は
桜花賞でリベンジを果たし、女王の称号を手に入れる。(長田良三)
★5日阪神11R「
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ナミュール 父ハービンジャー、母サンブルエミューズ、母の父
ダイワメジャー。鹿毛の牝3歳。栗東・
高野友和厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)キャロットファーム。戦績4戦3勝。獲得賞金8019万5000円。重賞は初勝利。
チューリップ賞は
高野友和調教師が2021年
エリザベスタワーに次いで2勝目。
横山武史騎手は初勝利。馬名は「サンブル川とミューズ川が合流するベルギーの都市。母名より連想」。