サマースプリントシリーズ第2戦の
CBC賞が5日、阪神競馬場で16頭によって争われ、13番人気の
ラブカンプーが鮮やかな逃げ切りで重賞初制覇。2年目の
斎藤新騎手(19)=栗・安田隆=も重賞初勝利を飾った。11番人気の
アンヴァルが2着、3着に3番人気の
レッドアンシェルが入り、3連単は244万4630円の大波乱となった。
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力いっぱい左ムチを振るって、ゴールへと飛び込んだ。2年目の斎藤騎手が5歳牝馬
ラブカンプーを見事にエスコート。9度目の重賞挑戦で初めて先頭で駆け抜けると、力強くガッツポーズだ。
「こみ上げてくるものが大きかったです。枠((3)番)や斤量を考えて積極的な競馬をしようと思っていました」
殊勲の19歳が汗をぬぐった。好スタートから果敢にハナを奪い、直線の入り口で3~4馬身リード。最軽量のハンデ51キロを存分に生かして、そのまま押し切った。
昨年はJRAで42勝を挙げて最多勝利新人騎手賞を受賞。だが、今年は“2年目のジンクス”と戦っていた。5月30日に今年の19勝目を挙げてから勝ち星なし。焦る気持ちもあったが、師匠の安田隆調教師や岩田康騎手から「まだ2年目だし焦ることはない」とアドバイスをもらい、「楽しんで乗ろう」と気持ちを切り替え好結果を残した。
人馬ともにうれしい重賞初制覇。森田調教師も「前走あたりから後肢の張りがよくなって、(2年前の)走っていた頃に戻ってきた」と、2018年
スプリンターズS2着馬の復調を喜んだ。
次走の
アイビスSD(26日、GIII、新潟、芝1000メートル)は、先約の
藤田菜七子騎手が騎乗予定。「これで気持ちに余裕が出てきたので、リズムをつかむきっかけになれば」とジョッキー。11ポイントでサマージョッキーズシリーズのトップに立った若武者が、さらなる飛躍を誓った。(渡部陽之助)
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斎藤新騎手の父・
斎藤誠調教師「若さあふれる思い切った騎乗でよかったですね。(最近は)本人に焦りもあったかもしれませんが、地道に頑張っていけばこういう結果が得られることが分かったと思います。乗せてくださったオーナー、調教師への感謝を忘れず、これからも精進していってほしいです」
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斎藤新(さいとう・あらた) 2001年2月9日生まれ、19歳。茨城県出身。栗東・
安田隆行厩舎所属。19年3月2日に小倉1Rクーファピーカブー(5着)でデビューし、翌3日の小倉4R
アルファライズで初勝利。同年は42勝をマークしてJRA賞・最多勝利新人騎手を獲得した。父は美浦の
斎藤誠調教師。5日現在JRA通算62勝。
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ラブカンプー 父
ショウナンカンプ、母ラブハート、母の父
マイネルラヴ。黒鹿毛の牝5歳。栗東・
森田直行厩舎所属。北海道日高町・奥山博氏の生産馬。馬主は増田陽一氏。戦績29戦3勝(うち地方1戦0勝)。獲得賞金1億7712万4000円(全て中央)。重賞は初勝利。
CBC賞は
森田直行調教師、
斎藤新騎手ともに初勝利。馬名は「冠名+父名より」。
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