佐藤洋一郎
世紀末覇者 券王
ゼット1号
きいいろ
田口啄麻
スガダイ
くりーく
霧
産経賞オールカマーが22日、中山競馬場で10頭によって行われ、丸山騎乗の4番人気スティッフェリオが逃げ切って重賞3勝目をマークした。優先出走権を獲得した天皇賞・秋(10月27日、東京、GI、芝2000メートル)でも、展開の鍵を握るだけに大いに注目される。3番人気ミッキースワローが1馬身3/4差の2着で、昨年の覇者で1番人気レイデオロは4着に終わった。 順当に収まった神戸新聞杯から10分後。中山の産経賞オールカマーは対照的に波乱の決着となった。4番人気で単勝11・2倍のスティッフェリオがGI馬2頭を退けて逃げ切り、天皇賞・秋に名乗りを上げた。 「やりました! この強いメンバーでどんな競馬ができるか、と思っていましたが、作戦がうまくいきました」 殊勲の丸山騎手が破顔一笑。スタートとしてすぐにハナを主張し、1000メートル通過61秒8のスローにペースダウン。後続につつかれることもなく、直線に向くまでマイペースに持ち込み、ゴールまで脚いろが鈍ることはなかった。 「リズムよく運べたし、4コーナーの手応えもよかった。素直で乗りやすいので、どんな競馬でもできますね」と、ジョッキーは今後にも期待を寄せる。 「逃げ切りもあるのかな、とは思っていた。前回もこういう競馬をしたくて、できなかったからね」と振り返る音無調教師。「これで堂々と天皇賞に行けますね。距離が200メートル短くなるから、やってみないと分からないけど、馬自身も成長しています」と、大舞台での走りに期待する。 丸山騎手も「小回りで結果を出しているけど、広いコースでも楽しみ。GIで結果を出したい」と意欲満々だ。 アーモンドアイなど一線級がそろう天皇賞・秋まで1カ月余り。展開の鍵を握るスティッフェリオから目が離せない。 (柴田章利)★22日中山11R「産経賞オールカマー」の着順&払戻金はこちらスティッフェリオ 父ステイゴールド、母シリアスアティテュード、母の父ムトト。鹿毛の牡5歳。栗東・音無秀孝厩舎所属。北海道千歳市・社台ファームの生産馬。馬主は(有)社台レースホース。戦績23戦8勝。獲得賞金2億5320万5000円。重賞は2018年GIII福島記念、19年GIII小倉大賞典に次いで3勝目。産経賞オールカマーは音無秀孝調教師、丸山元気騎手ともに初勝利。馬名は「オペラ作品名。近年発見され蘇った名作でシリアスな内容」。