豚ミンC
シムーン
村吉
暴君アッキー
第69回ダイヤモンドステークス(16日、東京11R、GIII、4歳上オープン国際、ハンデ、芝3400メートル、1着本賞金4100万円 =出走10頭)岩田康誠騎乗で1番人気のユーキャンスマイルが4コーナー最後方から鋭く伸びて差し切り、重賞初V。招待を受けたドバイゴールドCは辞退し、天皇賞・春(4月28日、京都、GI、芝3200メートル)に直行する。タイム3分31秒5(良)。2馬身半差の2着には今月いっぱいで定年を迎える谷原義明調教師の管理馬サンデームーティエ(8番人気)が入った。 やはり菊花賞3着の看板は、だてではない。4コーナーを最後方で回ったユーキャンスマイルが馬群を縫うように伸びて2馬身半差の完勝。充実の4歳馬が、長距離路線の新王者襲名へ名乗りを上げた。 「どの進路でも突き抜けられる余裕があった。行き出してからがすごい反応で、楽勝でした」 初コンビの岩田騎手がパートナーの能力を絶賛した。勝負どころで中団から少しずつポジションを下げ、不穏な空気が漂ったが、人馬は余裕綽々。最短距離を回って直線に向くと、次位を1秒2も上回るメンバー最速の上がり3ハロン33秒4で豪快にはじけた。ちなみにこの上がりは、2017年1着のアルバートと並ぶダイヤモンドS史上最速。それを馬群をさばきながらマークしたのだから恐れ入る。 友道調教師も「3000メートル走っての瞬発力がすごい。まさにステイヤーという感じ。操縦性が良くスタミナもあるから長丁場が向いている」と能力を再認識。以前あった右トモ(後肢)の弱さも解消し、直線でモタれず真っすぐ走れたのも収穫だった。 この後は選出されていたドバイゴールドCを回避し、天皇賞・春へ直行の予定。友道厩舎には菊花賞2着馬のエタリオウも控えており、強力な2枚看板で春の盾を取りに行くつもりだ。 長丁場を走った馬とは思えないほど、極上の決め手を見せつけたユーキャンスマイル。2カ月半後の淀でも最高の笑みを見せられそうだ。 (板津雄志)★サンデームーティエ、50キロ生かし2着 1000万下から2階級の格上挑戦だったサンデームーティエが、50キロの軽ハンデを味方に逃げ粘って2着。府中の長い直線を目いっぱい駆け抜け、今月末で定年となる谷原調教師に恩返しの力走を見せた。「ハナに行けばしぶとい馬なんだ。あそこまでいったら勝たせてあげたかったけれど、最後の重賞挑戦でこれだけやってくれれば言うことないよ」と谷原師は満足顔で愛馬をたたえた。★レースを終えて… ◆蛯名騎手(カフェブリッツ3着) 「流れに乗れて、自分のタイミングで仕掛けることができた」 ◆田辺騎手(ソールインパクト4着) 「先行するより中団からの形が合っている。衰えはない」 ◆戸崎騎手(ララエクラテール5着) 「もう少し時計がかかる馬場の方がいいのかも」 ◆浜中騎手(グローブシアター6着) 「距離が長かった。4コーナーで手応えがなくなった」 ◆大野騎手(シホウ7着) 「早めに動いたが、最後はいっぱいになった」 ◆柴山騎手(ルミナスウォリアー8着) 「折り合いは問題なかったが、坂を登っていっぱいになった」 ◆松岡騎手(ピッツバーグ9着) 「少し距離が長かった。2400メートルくらいがいいと思う」 ◆石橋騎手(ブライトバローズ10着) 「少し気持ちが切れている感じで、力むようなところもあった」ユーキャンスマイル 父キングカメハメハ、母ムードインディゴ、母の父ダンスインザダーク。鹿毛の牡4歳。栗東・友道康夫厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は金子真人ホールディングス(株)。戦績10戦4勝。獲得賞金1億2027万2000円。重賞初勝利。ダイヤモンドSは友道康夫調教師、岩田康誠騎手ともに初勝利。馬名は「笑ってごらん」。