岡村信将
とぅっけ
豚ミンC
スガダイ
第63回京成杯オータムハンデキャップ(9日、中山11R、GIII、3歳上オープン国際(特指)、ハンデ、芝・外1600メートル、1着本賞金3900万円 =出走15頭)クリストフ・ルメール騎乗で1番人気のミッキーグローリーが中団から差し切って重賞初V。ルメール騎手は紫苑S(ノームコア)に続く土日重賞制覇となった。タイム1分32秒4(良)。今後はマイルチャンピオンシップ(11月18日、京都、GI、芝1600メートル)を目標に調整される。3/4馬身差の2着が3番人気ワントゥワンだった。 蒸し暑い空気を切り裂き、青鹿毛の巨体が一気に馬群をのみ込む。“遅れてきた大器”ミッキーグローリーが、重賞初挑戦Vの快挙をやってのけた。 「スタートからペースが速く、リラックスできた。3~4コーナーでは長くいい脚を使ってくれました。2日連続で(重賞を)勝ててすごくうれしいです」 前日の紫苑Sに続いて自身初のJRA土日重賞制覇(同日重賞2勝は2度)を飾ったルメール騎手は、何度もガッツポーズを作ってファンの歓声に応えた。中団でじっくりと脚を温存し、勝負どころの3角過ぎから外を回って進出。中山の急坂にもスピードは衰えず、危なげなく抜け出した。 「ルメールには『9R(木更津特別・フレッチア)と同じように勝ってくれ』と言ったんだ。それで、ちゃんと勝ってくれるから大したものだよ」と、国枝調教師は賛辞を惜しまない。これで両者のタッグは今年【9・3・5・9】連対率46%強と大暴れ。秋華賞で牝馬3冠を狙うアーモンドアイに最高の弾みをつけた。 グローリーは3歳春に2勝目を挙げ、“さあ、これから”という矢先に左前脚の屈腱炎を発症。1年半もの長期休養を余儀なくされた。「(米大リーグ・エンゼルスの)大谷じゃないけど、治ったつもりでも再発することがあるから。じっくり休ませるしかないんだ。待てば海路の日和あり、ってね」。忍耐を実らせた指揮官は喜びもひとしおだ。 大目標となるのはもちろんマイルCS。「すごくいい馬。秋が楽しみ」と、鞍上も可能性を高く評価する。この日の馬体重は550キロで自己最高を更新。『天高く馬肥ゆる秋』を体現するディープ産駒の上がり馬が、マイル界の頂点へ突き進む。 (漆山貴禎)★9日中山11R「京成杯AH」の着順&払戻金はこちら★マイルは3度目の優勝馬該当なし サマーマイルシリーズは12ポイント以上を獲得し、かつシリーズ1勝以上した馬がいなかったため、優勝馬は「該当馬なし」となった。2012、16年に続いて3度目のケース。ミッキーグローリー 父ディープインパクト、母メリッサ、母の父ホワイトマズル。青鹿毛の牡5歳。美浦・国枝栄厩舎所属。北海道新ひだか町・岡田スタツドの生産馬。馬主は野田みづき氏。戦績11戦6勝。獲得賞金9918万円。重賞初勝利。京成杯AHは国枝栄調教師、クリストフ・ルメール騎手ともに初勝利。馬名は「冠名+名誉」。