第54回
七夕賞(8日、福島11R、GIII、3歳上オープン国際(特指)、ハンデ、芝2000メートル、1着本賞金4100万円 =出走12頭)サマー2000シリーズの初戦は、
丸田恭介騎乗で11番人気のメドウラークが直線で鮮やかに抜け出して重賞初制覇。単勝万馬券(1万80円)の激走で、3着にも最低人気の
パワーポケットが入り、3連単256万円超の大波乱となった。タイム2分0秒8(良)。1番人気の
サーブルオールは4着、3番人気の
プラチナムバレットは4コーナーで落馬し、競走中止となった。
開場100周年を迎えた福島の名物GIIIで、ブービー人気が単勝万馬券の特大砲を打ち上げた。大波乱の主役は、7歳馬メドウラークと丸田騎手の初コンビ。レースの上がり3ハロンが38秒6と、芝とは思えないほどの“超”消耗戦で、持ち味のしぶとさを存分に発揮した。
「最高ですね。本当に道悪が上手な馬で、軟らかい馬場でもいい手応えで回ってこられたし、馬の豊富なキャリアにも助けられた。初めて重賞を勝ったのも福島。特別な縁を感じますね」
2010年
福島記念(
ダンスインザモア)で重賞初制覇を飾った思い出の場所で、丸田騎手が声を弾ませた。
鞍上の言葉通り良馬場でも緩さが残る馬場が味方した。加えて、
マイネルミラノが作った1000メートル通過が58秒2のハイペース。前にいる人気馬がスタミナを削られる中、馬のリズムに合わせて後方を進んだメドウラークは手応え良く勝負の3、4コーナーへ。外から勢いよく上がってきた
マイネルサージュの「まくり」を許さず、そのままクビ差振り切った。
橋田調教師も低迷していた愛馬の復活に感慨深げ。「よく最後まで辛抱してくれた。4コーナーで2着馬に締められずに押し切ったのは、いい判断だった。乗り役を褒めてやってください」と人馬をたたえた。15年のジューンS以来、実に3年ぶりの勝利で勢いをつけ、このままサマー2000シリーズを戦うつもりだ。
丸田騎手といえば、前週の福島開幕日でも特別戦で2桁人気馬を3連続で3着に導き、この日も2勝を挙げる活躍だ。
「(穴をあけている)自覚はないですけどね。レースではせこく立ち回ることを心掛けています」
そう謙遜するデビュー12年目の32歳が、穴党の心強い味方として、まだまだ夏競馬を盛り上げていく。 (板津雄志)
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メドウラーク 父
タニノギムレット、母アゲヒバリ、母の父
クロフネ。鹿毛の牡7歳。栗東・
橋田満厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は吉田勝己氏。戦績34戦6勝。獲得賞金1億4591万7000円。重賞初勝利。
七夕賞は
橋田満調教師、
丸田恭介騎手ともに初勝利。馬名は「マキバドリ」。