第32回フラワーカップ(17日、中山11R、GIII、3歳牝馬オープン国際(特指)、別定、芝・内1800メートル、1着本賞金3500万円 =出走13頭)ミルコ・デムーロ騎乗で2番人気のカンタービレが、猛追する3番人気トーセンブレスをクビ差抑えて快勝。未勝利戦に続く連勝で重賞初勝利を飾った。タイム1分49秒2(良)。桜花賞(4月8日、阪神、GI、芝1600メートル)への出否は流動的。角居勝彦調教師は現役最長の15年連続のJRA重賞勝利となった。 初コースも重賞も、あっさりと克服だ。未勝利勝ち直後のカンタービレが、好位から抜け出して重賞初制覇を飾った。 「すごかったね。この間もいい勝ち方だったから、自信を持っていた」 M・デムーロ騎手が満足げに語るように、完璧なレース運びだった。5番手の内めで折り合い、直線でスムーズに外へ。鋭く先行勢をかわすと、トーセンブレスの追撃をクビ差振り切った。 同距離の前走を3馬身差V。それでも気性面が懸念材料だったが「すごく落ち着いていた」。前週の金鯱賞(スワーヴリチャード)に続く2週連続重賞Vの鞍上も、相棒の成長に目を見張る。 「うまく乗ってくれたね。テンションも随分と落ち着いていた」 15年連続重賞Vの角居調教師も、人馬をたたえた。一方、長距離輸送でマイナス6キロの馬体重には「こんなに減るとは思わなかった。課題ですね」と気を引き締める。 次走は未定だが、角居厩舎のフラワーC勝ち馬といえば、2005年にシーザリオが日米オークス馬に輝いた。「落ち着いていれば、これ以上の距離も大丈夫」とジョッキー。大舞台に向けて賞金を加算したカンタービレが、どんな路線を歩むのか注目だ。 (千葉智春)カンタービレ 父ディープインパクト、母シャンロッサ、母の父ガリレオ。鹿毛の牝3歳。栗東・角居勝彦厩舎所属。北海道浦河町・三嶋牧場の生産馬。馬主は石川達絵氏。戦績4戦2勝。獲得賞金4526万9000円。重賞初勝利。フラワーCは角居勝彦調教師が2005年シーザリオに次いで2勝目。ミルコ・デムーロ騎手は初勝利。馬名は「歌うように(音楽用語)」。