第34回
エプソムカップ(11日、東京11R、GIII、3歳上オープン国際(特指)、別定、芝1800メートル、1着本賞金4100万円=出走18頭)
浜中俊騎乗で5番人気の
ダッシングブレイズが好位追走からしぶとく伸び、8度目の挑戦で重賞初勝利を飾った。タイム1分45秒9(良)。今後は中距離路線を視野に入れている。1/2馬身差の2着が1番人気の
アストラエンブレム。逃げた
マイネルハニーがハナ差3着だった。
人馬の絆が初タイトルを呼び込んだ。8度目の重賞挑戦で、
ダッシングブレイズが初勝利。コンビを組んで9戦5勝の浜中騎手が笑顔で、そして切々と振り返った。
「本当にうれしい。スタートが良かったので、自然とあの位置取りに。道中は馬のリズムを最優先に乗り、直線は坂を上って一番苦しくなるところで馬がもう一段階、頑張ってくれた」
出脚良く好位へ。直線は全馬が馬場の外側に広がるなか、逃げ粘る
マイネルハニーの内を突く。鞍上の左ムチ連打にこたえるように力強く伸びて、外から猛追する
アストラエンブレムを半馬身差退けた。
切なる思いがあった。自らの手綱で2015年秋に1000万下からリゲルSまで3連勝。続く昨年の
東京新聞杯は1番人気で、重賞初制覇の機運が高まった。しかし、直線で十分な間隔がない最内を突いて落馬。4カ所の骨折を負ったうえ、過怠金も科された。「馬に申し訳ない気持ちが心に残っていた。彼ともう一度勝てれば、お互い頑張れる、と。祈りがかなってうれしい」。ジョッキーの顔には安堵(あんど)の色が広がっていた。
「よかった。何とかスグル(浜中騎手)で、と思っていたから」
鞍上の思いを知る吉村調教師も、ホッとした表情。「2歳時から素質は高いと思っていたけど、チャンスがあるなか結果を出せなかった」。厩舎の期待馬による快勝に、喜びもひとしおだ。
戦前までは全6勝がマイル。1800メートルでタイトルをつかんだことで、選択肢は広がった。浜中騎手が「もっと大きなレースに向かって頑張ってくれるでしょう」と期待を込めれば、吉村調教師も「力をつければさらに大きいところへ。きょうの感じなら2000メートルでも」。次走は未定だが、秋には天皇賞(10月29日、東京、GI、芝2000メートル)も視野に入ってくる。
過去5年の連対馬から4頭のGI馬が誕生している出世レースを制した
ダッシングブレイズが、威勢良く今後の飛躍へと駆けだした。 (千葉智春)
★11日東京11R「
エプソムカップ」の着順&払戻金はこちら
★サンスポe-shopで黒色木製枠付き写真パネルを発売します!
