今週はいよいよ競馬の祭典・
日本ダービー。GI連載企画の『東西現場記者走る』は、東京サンスポの千葉智春記者(32)が担当する。3歳馬7015頭の頂点に立つ馬を探るために勇躍、栗東トレセンに乗り込んだ初日は、
皐月賞6着の
スワーヴリチャードに注目した。陣営は前走以上の仕上がりに太鼓判。
共同通信杯を制した東京コースに替わり、逆襲ムードが漂う。
日曜の
オークスは◎
ソウルスターリングで連載突入に弾みをつけるはずが、痛恨の2着ヌケ(無印)。デスクからの「ドンマイ」にむしろ気落ちして、栗東へ向かう新幹線へ。もちろん、ダービー出走馬を入念にチェックしながらだ。
だが、混戦のメンバーを見れば見るほど、闘志に火がついた。連載で
オークスをズバッと仕留めた板津先輩に続くべく、栄えあるダービーの勝ち馬を当ててみせる。一夜明けて、勇んで初日に向かったのは、
スワーヴリチャードの庄野厩舎だ。
◎を打った
皐月賞は、高速馬場で前が止まらない中、外から目立つ伸びで6着に追い上げた。東京コースは2戦して
共同通信杯V、東スポ杯2歳S2着。前走後に四位騎手が「右回りだと終始、右手前に戻そうとする。左回りの東京でリベンジしたい」と逆襲を誓ったように、府中替わりで末脚爆発の予感がある。
高速馬場を走った疲れもなく、中間は短期放牧後も順調な調整過程だ。前走については久保淳助手も「マイル組に向いたよね。あれでは届かない」と同意する。さらに「若干、体も余裕があった。ほら見てよ」とスマホを取り出し、保存してある馬体の写真を見せてくれた。過去のものと見比べて、「先生(庄野調教師)は“
共同通信杯のときが一番いい”と言っていた。今回も同じ感じの体つき」。仕上がりに不安はなさそうだ。
前走は1週前、最終追い切りとジョッキーが騎乗し「気合が乗りすぎていた」そうで、今回は1週前に四位騎手を背に速い時計を出して、今週はサラッと整える予定。馬房での姿も落ち着いたもので、久保淳助手が「リッチャー」と声をかけると、記者の方に人懐っこく顔を近づけてきた。「オンとオフがはっきりしていて、賢い馬。このままリラックスした状態でいければ。距離は長い方がいいし、あとは(2007年
ウオッカ、08年
ディープスカイと)ダービー2勝のジョッキーに任せます」と同助手は期待を込めた。
桜花賞で◎を打った
ソウルスターリングが
オークスで巻き返したように、
皐月賞で期待した
スワーヴリチャードで…と鼻息を荒くしていたが、陣営の穏やかなムードを感じ、力みのあった自分に気がついた。週末までまだ時間はある。平常心で取材に奔走したい。
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東西現場記者走る 2014年の春から続くGI限定の連載企画。東西サンスポが誇る精鋭記者たちが、トレセンで1週間の密着取材を行い、勝ち馬に迫る。結論を出すのはレース当日の紙面。千葉記者は前回担当した天皇賞・春の3連単3780円を◎◯▲で完璧に仕留めた。先週の
オークスでも、担当の板津記者が◎→△△→△で2万馬券をヒット。密着取材の成果を発揮している。