第110回
京都記念(12日、京都11R、GII、4歳上オープン国際、別定、芝・外2200メートル、1着本賞金6200万円 =出走10頭)ミルコ・デムーロ騎乗で3番人気の
サトノクラウンが、3番手追走から押し切り、連覇を飾った。
香港ヴァーズ(GI)に次ぐ重賞連勝で、春のGI戦線に向けて幸先いいスタート。タイム2分14秒1(稍重)。2着は5番人気の
スマートレイアー、1番人気の
マカヒキは3着に敗れた。
雪雲が消えて、晴れ間が顔をみせた淀の舞台で、
サトノクラウンが力強い伸び脚を披露して連覇を達成した。58キロを背負いながら、昨年のダービー馬
マカヒキや
ミッキーロケットといった“最強4歳世代”を下しての白星。貫禄を見せつける走りで、今年の初戦を鮮やかに飾った。
「素晴らしい、うれしいです。スタートを出て、いい位置が取れたし、一生懸命走ってくれました。ずっといい手応えでした」
昨年、優勝したとき以来、1年ぶりの騎乗で答えを出したM・デムーロ騎手が声を弾ませる。好発から、大きく逃げる2頭を無理に追わず、3番手をじっくり進んだ。4コーナーで差を詰めるとラスト1ハロン付近で先頭に。
マカヒキに詰め寄られるシーンもあったが「怖かった。“もっと伸びろ”と思っていた」という期待に応え、グイッともうひと伸び。最後は2着
スマートレイアーに1馬身1/4差をつけてゴールに飛び込んだ。
「昨年は返し馬でイレ込んでいたけど、今年は落ち着いていた。トモ(後肢)がよくなった」と同騎手は続ける。昨年末の
香港ヴァーズに次ぐ連勝。ここにきての成長は目を見張る。
愛馬の激走に里見治オーナー(75)=セガサミーホールディングス会長兼社長=も「
マカヒキを負かしましたし、いい走りで先が楽しみです」と目を細めた。次走については「ゆっくり相談しますが、
大阪杯(4月2日、阪神、GI、芝2000メートル)はターゲットになると思います」と見通しを話した。
京都記念が年1回の施行となった1984年以降では、初めての連覇を飾った
サトノクラウン。春のGIシーズンを前に上昇カーブを描き出した。 (山口大輝)
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サトノクラウン 父マルジュ、母ジョコンダII、母の父ロッシーニ。黒鹿毛の牡5歳。美浦・
堀宣行厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は里見治氏。戦績は12戦6勝(うち海外2戦1勝)。獲得賞金は4億1870万1100円(うち海外1億4606万7100円)。重賞は2014年GIII東スポ杯2歳S、15年GII弥生賞、16年GII
京都記念、GI
香港ヴァーズに次いで5勝目。
京都記念は
堀宣行調教師、ミルコ・デムーロ騎手は16年
サトノクラウンに次いで2勝目。馬名は「冠名+王冠」。
