第52回
函館記念(17日、函館11R、GIII、3歳上オープン国際(特指)、ハンデ、芝2000メートル、1着本賞金4100万円=出走16頭)
サマー2000シリーズの第2戦は、地元・函館出身の丹内(たんない)祐次騎手(30)=美・フリー=が騎乗した3番人気
マイネルミラノが2馬身差で逃げ切り、11度目の重賞挑戦でうれしい初勝利。タイム1分59秒0(稍重)。今後はシリーズ制覇を目指す。2、3着に人気薄が入り、3連単は23万円台の波乱。1番人気の
バイガエシは後方から差を詰めたものの、5着に終わった。
雨にけむる函館競馬場で、地元のヒーローが錦を飾った。函館・湯川町出身の丹内騎手が、
マイネルミラノで鮮やかな逃げ切り勝ち。愛馬を初の重賞ウイナーへと導いた鞍上は、GIを勝ったかのようなウイニングランで、スタンドを埋めたファンの歓声に応えた。
「地元で重賞を勝つのが夢でした。勝ったらウイニングランをしようと決めていたし、できてよかったです」。競馬場のすぐ裏手に実家があるデビュー13年目の丹内騎手は、昨年の
マーチS(
マイネルクロップ)以来となるJRA重賞2勝目。故郷で初のタイトル奪取に、喜びを爆発させた。
〔3〕枠(6)番からスタートを決め、前半5ハロン1分ジャストの絶妙なペースで単騎逃げ。手応え良く4コーナーを回ると、直線も脚いろは鈍らない。2着に2馬身差をつけて、後続の追撃を完封した。
「スタートが決まったし、
オツウが(2番手に)控えてくれてよかった。去年は自分の失敗で負けたので、リベンジできてよかったです」とジョッキーは笑みを浮かべた。
昨年は2番人気で8着に敗退。不利な大外枠でペースも速くなり、直線で馬群に沈んだ。だが、今年は身上のスピードを生かした逃走劇。見事に雪辱を果たした。
管理する相沢調教師も、北海道・常呂町(現北見市)出身で、函館では初の重賞奪取。「最高にうれしい。同型馬が気がかりだったけどね。遅いペースでつつかれなかったし、枠順も、渋った馬場もよかった。条件がそろったね」と指揮官は笑顔で振り返った。
今後はいったん放牧に出され、
札幌記念(8月21日、札幌、GII、芝2000メートル)と
新潟記念(9月4日、新潟、GIII、芝2000メートル)の両にらみで、サマー2000シリーズ制覇を目指す。11度目の重賞挑戦で念願のタイトルを手に入れた
マイネルミラノ。果敢な逃げで、今年の夏競馬をますます熱く盛り上げる。(鈴木康之)
★17日函館11R「
函館記念」の着順&払戻金はこちら
マイネルミラノ 父
ステイゴールド、母パールバーリー、母の父ポリッシュプレセデント。栗毛の牡6歳。美浦・
相沢郁厩舎所属。北海道新冠町・ビッグレッドファームの生産馬。馬主は(株)サラブレッドクラブ・ラフィアン。戦績34戦7勝。獲得賞金1億9173万9000円。重賞初勝利。
函館記念は、
相沢郁調教師、
丹内祐次騎手ともに初勝利。馬名の意味は「冠名+鳶(スペイン語)」。