きいいろ
豚ミンC
第90回中山記念(28日、中山11R、GII、4歳上オープン国際、別定、芝・内1800メートル、1着本賞金6200万円 =出走11頭)1番人気ドゥラメンテが、好位から抜け出して昨年のダービー以来の復帰戦を白星で飾った。タイム1分45秒9(良)。登録しているドバイ国際諸競走(3月26日、ドバイ・メイダン)への出否は今週中にも決まる見込み。ミルコ・デムーロ騎手(37)は自身の記録を更新する5開催日連続重賞Vとなった。2着はアンビシャス、3着はリアルスティール。 役者が違った。昨年の最優秀3歳牡馬ドゥラメンテが復帰戦を快勝。骨折休養明けで9カ月ぶりでも、先輩の皐月賞馬2頭が相手でも、勝利が揺らぐことはなかった。 「本当に強かったね。直線はいい手応えだったし、気持ち良かった」。M・デムーロ騎手は喜びを爆発させた。 見た目にはクビ差の辛勝でも、内容はまさに横綱相撲。好スタートを決めて難なく5番手の外につけると、残り200メートルで堂々と先頭へ。外から同世代のアンビシャスが迫ったが、貫禄を見せて退けた。 「いいスタートを決めて、いいポジションを取れた。抜け出してから危うく物見をするところがあったけど、自信を持っていた。左手前に替えてから瞬発力がすごかった」と主戦はパートナーを絶賛する。 前走のダービーから18キロの馬体増でも「太くはない。体が大きくなったね」と成長分であることを証言。同じ中山の皐月賞では4コーナーで大きく外にふくれて審議の対象となったが、そんな荒々しさもこの日は影を潜めていた。「乗りやすくなったし、真面目になった」。心身ともに充実一途で、最強馬はまだ進化を続けている。 デムーロ騎手はこれでJRA通算500勝。「ドゥラメンテで達成できてよかった」というミルコは、5開催日連続重賞制覇と絶好調だ。 今後は登録しているドバイ国際諸競走が視野に入る。馬主の(有)サンデーレーシングの吉田俊介代表は「週中の様子を見てから出否を決めたい。使うならシーマクラシック(GI、芝2410メートル)になると思う」と前向きな姿勢を示した。 「この馬はかなり強い。どこへ行ってもやれると思う」。数多くの名馬の背中を知る名手も、実力がワールドクラスであることを疑わない。無敵のコンビの快進撃は、たとえ海を越えても止まりそうにない。 (藤沢三毅)★5開催日連続重賞制覇 M・デムーロ騎手は14日(日)、20日(土)、21日(日)、27日(土)、28日(日)と5開催日連続重賞制覇となり、自身が持つ記録を1日更新した。今後は武豊騎手が持つ騎乗機会重賞6連勝の最長記録更新を狙う。騎乗機会とは重賞があっても騎乗しない場合はカウントされない。なお、土曜などに重賞が組まれていない場合は除いて施行機会という表現もあるが、これは武豊騎手が持っていた最長記録の5連勝に並んでいる。★28日中山11R「中山記念」の着順&払戻金はこちらドゥラメンテ 父キングカメハメハ、母アドマイヤグルーヴ、母の父サンデーサイレンス。鹿毛の牡4歳。美浦・堀宣行厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)サンデーレーシング。戦績7戦5勝。獲得賞金4億5557万5000円。重賞は2015年GI皐月賞、GI日本ダービーに次いで3勝目。中山記念は堀宣行調教師が初勝利、ミルコ・デムーロ騎手は11年ヴィクトワールピサに次いで2勝目。馬名の意味・由来は「荒々しく、はっきりと(音楽用語)」。