15日の東京11Rで行われた第19回武蔵野ステークス(3歳上オープン、GIII、ダート1600メートル、16頭立て、1着賞金=3700万円、1着馬にチャンピオンズCの優先出走権)は、
武豊騎手騎乗の7番人気
ワイドバッハ(牡5歳、栗東・
庄野靖志厩舎)が直線外から豪快に差し切ってV。重賞初制覇を果たした。タイムは1分35秒2(良)。
外から一頭だけ、全く違う脚いろの馬が飛んできた。
武豊騎手を背にした
ワイドバッハが鮮やかな追い込みを決めて重賞初V。ダート界の遅れてきた新星がチャンピオンズC(12月7日、中京、GI、ダート1800メートル)の優先権を獲得した。
レースは
カチューシャが先手を取り、二の脚がついた
レッドアルヴィスが2番手。さらに
トウショウフリークも加わり、よどみないペースで流れる。人気の
エアハリファは好位のインで絶好の手応え。ハイペースのままレースは流れ、直線を迎える。外に出した
エアハリファは、追い出しをじっくり我慢してから
ゴーサイン。満を持して抜け出すと後続を突き放し、完勝するかという勢いだったが、大外からすごい脚で追い込んできたのが
ワイドバッハだった。1完歩ごとに差を詰めて、ゴール前できっちりかわしてV。前走のエルコンドルパサーメモリアルに続いて見事な決め手を発揮して、重賞初制覇を飾った。1/2馬身差の2着が
エアハリファ。さらに3馬身差の3着には11番人気の
グレープブランデーが入っている。
ワイドバッハは、父アジュディケーティング、母グリーンヒルレッド、母の父スキャンという血統。北海道新冠町・八木常郎氏の生産馬で、幅田京子氏の所有馬。通算成績は24戦7勝。重賞初勝利。
庄野靖志調教師は
武蔵野S初勝利。
武豊騎手は1998、99年
エムアイブラン、01年
クロフネに次いで4勝目。
武豊騎手は「気持ち良かったですね。最後方からの競馬でしたが、思っていたよりも楽についていけて、道中はいい感じでした。ラストはいい脚を使う馬で、状態も良いみたいですね。(直線は)あと200メートルくらいで、かわせるなと思いました。ここに来て体調が良いし、力もつけています。うれしい勝利ですね。1400メートルよりも1600メートルの方が感じが良かったですし、今なら(チャンピオンズCの1800メートルも)いいんじゃないですか」と久々の中距離戦にも前向きな姿勢を見せていた。
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