第50回
札幌記念(24日、札幌11R、GII、3歳上オープン国際(特指)、定量、芝2000メートル、1着本賞金6500万円 =出走14頭)サマー2000シリーズ第4戦は、2番人気の
桜花賞馬
ハープスターが直線で、1番人気のGI5勝馬
ゴールドシップの追撃を3/4馬身差で振り切って優勝。
凱旋門賞(10月5日、仏ロンシャン、GI、芝2400メートル)を控えた2頭のワンツーとなった。タイム1分59秒1(良)。さらに5馬身差の3着に7番人気の
ホエールキャプチャが入った。
夏の札幌で、
凱旋門賞を見据える2頭が“一騎打ち”を演じた。4万6097人の大観衆を前に凱歌を上げたのは
ハープスター。
ゴールドシップとの直接対決を制した。
「3コーナーから少しずつ動いていくという指示でした。動き出してからはいい雰囲気でしたし、すごくいい内容で勝てました」
激闘を制した川田騎手が声を弾ませた。
道中は後方2番手。鞍上は向こう正面でやや離れて最後方の
ゴールドシップを確認すると、ジワッと外を回って進出を開始。3、4コーナーで勢いをつけたゴールドとの戦いとなった直線で、一瞬の切れ味で先に抜け出して3/4馬身差をつけた。
3歳牝馬としては1992年の
サンエイサンキュー以来、22年ぶり2度目の
札幌記念制覇。だが、決して万全だったわけではない。
オークス(2着)で左前肢の蹄鉄が外れかかったまま走った影響で放牧先では蹄を痛がり、立て直すのに時間がかかった。松田博調教師も「状態は7分くらい」と言っていたが、実戦では圧巻のパフォーマンスを見せた。
生産牧場のノーザンファームの吉田勝己代表は、
凱旋門賞の鞍上について「川田騎手でいきます」と明言。9月20日に
ジャスタウェイ、
ゴールドシップと一緒に渡仏し、2頭と同じシャンティー(パリ郊外)の小林智厩舎に滞在することが決まっている。
凱旋門賞は過去10年で斤量が軽い3歳牝馬が3頭優勝。
ハープスターは今回、同じ5キロの斤量差で古牡馬を撃破した。「もう少しパンとすれば、もっと走れるんじゃないかな」とトレーナー。
ハープスターは日本馬初となる
凱旋門賞Vへ突き進む。(板津雄志)
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